死ぬまでに訪れたい!メキシコの名建築ルイス・バラガンの代表作を知っていますか?
メキシコのある住宅街の一角に、各国の建築家や建築学生が訪れるという1軒の住宅があります。 世界遺産にも登録されたその住まいの主人は、建築家 ルイス・バラガン。 【写真集】メキシコの名建築!死ぬまでに訪れたいルイス・バラガンの代表作 バラガンは、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞した、メキシコが誇る現代建築の巨匠です。今回は一度は訪れたい彼が遺した名作の数々をご紹介します。
ルイス・バラガンとは?
ルイス・バラガン(1902 – 1988)は、出身地であるメキシコの風土を反映したカラフルで大胆な色彩、水や光の表現、教会思わせる静謐な空間づくりが特徴的な建築家です。 その作風は、彼自身の言葉を借りれば “自伝的” なもの。敬虔なクリスチャンである父が所有していた大農園で過ごした少年時代の思い出や、その後にヨーロッパで出合った、メキシコのルーツである地中海文化、造園家のフェルディナント・バックのランドスケープデザイン、ル・コルビュジェの機能的なインターナショナルスタイルの影響が色濃く反映されているといわれています。 今回ご紹介するのは、そんな “バラガン・スタイル” が確立した1940年代以降の作品たちです。
ルイス・バラガン邸
まずご紹介するのは、バラガンが自宅兼仕事場として立てた建物。外観は非常に質素で、目印になるのは奥にそびえ立つ塔くらいでしょうか。 大通りから一歩入った静かな通りにひっそりと佇んでいるため、世界中の建築家たちが訪れる世界遺産だとは一目では気づかないかもしれません。 とはいえ一度内部に入れば、ジャングルを思わせる庭、そこに臨むリビング、空と一体化するかのようなテラス、バラガンのトレードマークともいえる色使いなど、注目すべきポイントは枚挙にいとまがありません。 また、バラガンがよく用いる設計手法の1つとして、小さな空間から大きな空間へと繋がるシークエンスをつくることが挙げられますが、そのような構成はこの邸宅でも見られます。 玄関から続く細く暗い廊下の先にある、自然光が降り注ぐホールは、シークエンスの緩急によって、訪れたものに空間の広がりをいっそう感じさせます。こうしたアイデアもまた「アルハンブラ宮殿」を訪れた経験から生まれたのだそうです。 バラガン邸は、一般に公開されています。見学の際は公式サイトからお申し込みを。