死ぬまでに訪れたい!メキシコの名建築ルイス・バラガンの代表作を知っていますか?
ペトレガル公園/ペトレガル邸
バラガンのデベロッパーとしての一面にも触れておきましょう。 1943年ごろ、バラガンは溶岩があたり一面を覆う不毛地帯として知られていたペトレガルの土地をおよそ300ヘクタール購入。 「自分自身が自分のクライアントになる」という宣言のもと、自らが発注者となり、宅地開発に取り組み始めたのです。 「ペトレガル公園」は、荒野を素晴らしい住環境につくりかえる1つの証明として、溶岩の荒々しいテクスチャーやこの土地ならではの珍しい植物を生かして計画された公園です。 1950年代半ばから開発はバラガンの手を離れており、現在のランドスケープは彼の思い描いたイメージとは離れてしまっていますが、彼が開発のなかで手掛けた「ペトレガル邸(旧称:プリエト・ロペス邸)」は往時の姿を残して現存しています。
サン・クリストバルの厩舎 / フォルク・エゲルストーム邸
続いてご紹介するのは、サラブレッドの繁殖とトレーニングを専門に行うファミリーのために設計された厩舎と住宅です。 自邸やトゥラルパンの教会と並ぶバラガンの代表作として知られており、キューピーマヨネーズなどのCMのロケ地に選ばれたこともあるので、ご存知の方も多いかもしれません。 ブーゲンビリア由来のピンクの壁や中心に据えられたプールが象徴的で、青い空との対比、水面のゆらめきや噴水の音が心地よい空間なのですが、ここが馬のための施設であるということにもご注目を。 そのプロポーション、プールの深さやゲートの高さといった、建築のスケール感が馬にとって使いやすく、そしてその姿がいっそう映えるように設計されているため、住宅作品とはまた違った独特の雰囲気を味わえるのです。 見学に予約が必要なものもありますが、「ベベデロ」、「フエンテ・デ・ロス・アマンテス」、「サン・クリストバルの厩舎」は近いエリアに位置していますので、ぜひまとめて巡ってみてはいかがでしょうか。
ヒラルディ邸
最後にご紹介するのは、バラガンが現役引退を表明してから10年あまり、若きデザイナー フランシスコ・ヒラルディの熱烈なオファーによって実現した「ヒラルディ邸」です。 この住宅は、最晩年の作品かつ、バラガンが手掛けたもののなかではかなり小規模のプロジェクトでありながら、斬新な試みが数多く見られることで知られています。 特にスリット状の窓から黄色い光がシャワーのように降り注ぐ廊下や、プールのあるダイニングルームが非常に特徴的で、バラガンの光と水の表現の終着点といえるでしょう。 こちらはバラガン邸から1kmと離れていない場所に立っていますので、ぜひ併せてご見学を(要予約)。