国産アドベンチャーツアラー決戦!スズキ「GSX-S1000GX」とカワサキ「ヴェルシス」 2台の個性の決定的な違いとは
スポーツツアラーというジャンルを飲み込んだADV
2013年以降に空前のブームとなり、現在では四輪のSUVのように一般化したアドベンチャー・クロスオーバー(ADV)というカテゴリー。 【画像】人気のADV スズキ「GSX-S1000GX」とカワサキ「ヴェルシス1000」の個性を写真で見る(27枚) ADVはラリー車をルーツに持つため、オフローダーであることが本来のスタイルといえます。
大ブームのきっかけとなったBMWモトラッド「R1200GS」は実際にオフローダーでもあります。 ADVが持つオフロードを速く快適に走れるという性能は、舗装路ではより速く快適に走れるという性能になります。しかも車高がありサスペンションストロークも長いので快適です。 2013年は、かつてのバイクブーム世代が子育てなどを終えて再びバイクに乗り出す「リターンライダー」が増加していました。 歳を取れば身体が効かなくなるので快適性が重要になります。 ADVの快適性が注目された理由とリターンライダーのブームは無関係とはいえません。 その証拠にADVのブームはそれまであったひとつのカテゴリを吸収してしまいました。 それが「ツアラー」です。 スーパースポーツのようなフルカウル・前傾姿勢で大排気量エンジンを搭載、パニアケースを装備したかつてのツアラーは下火となり、代わりにADVのスタイルを取り入れて快適性を高めた「アドベンチャーツアラー」(ADVツアラー)が台頭してきたのです。 ADVツアラーは、オフロードの性能を切り捨てる代わりにスポーツ性能を追求する傾向にあります。 特に大型モデルほどその傾向は顕著に現れています。今回はそのうちの2台、スズキ「GSX-S1000GX」と、カワサキ「ヴェルシス1000」をスペックで比較してみましょう。 2024年1月にブランニューモデルとして登場したスズキS1000GXは、GSX-S1000シリーズのうちの一台となります。
ストリートファイターの「GSX-S1000」、スポーツツアラーの「GSX-S1000GT」に続く第3のADVツアラーがS1000GXとなります。 一方のヴェルシスは、横の展開はないADVツアラーです。しかし、ヘッドライトに見てとれるように「ニンジャ」シリーズの衣裳を取り入れているため、その兄弟モデルと考えられます。 S1000GXとヴェルシスのボディサイズを比較してみるとS1000GXのほうが全体的にコンパクトです。 ホイールベースも車重も値が小さいため、コーナリング性能が優れていると言えます。 ヴェルシスはその反対に直線が得意と言えます。高速道路を多用するようなツーリングでは、ヴェルシスのほうが疲れにくいかもしれません。 さらにヴェルシスは、シート高もS1000GXより低く設計されています。走りの面でも止まっている面でも安定志向だといえるでしょう。 SUZUKI GSX-S1000GX 車体サイズ:2150×925×1350mm ホイールベース:1470mm シート高:830mm 車両重量:232kg KAWASAKI VERSYS 1000 車体サイズ:2270×950×1490~1530mm ホイールベース:1520mm シート高:820mm 車両重量:257kg