東海理化・豊田鉄工・豊田合成…車部品メーカーが拡大、「バイオマス材料」の生かし方
豊田合成 ハンドルにスギ成分活用
豊田合成はスギの成分を配合した樹脂を開発した。スギの主成分である「リグニン」を工業材料として化学的に抽出した物質「改質リグニン」を、ウレタンやナイロンに配合した。この物質は耐熱性や加工性に優れ、今後ハンドルなどの内外装部品への適用を視野に入れている。 同社は元々、スギ材に4―5割含まれるセルロースをCNF強化プラスチックとして使う取り組みを進めてきた。さらなる有効活用に向けて、同様にスギ材に3割ほど含まれるリグニンに着目。森林研究・整備機構と共同で「改質リグニン配合プラスチック」を開発した。これによりスギ材の大部分を活用できるようになった。 政府の花粉症に関する関係閣僚会議は23年5月、花粉症の発生源対策として10年後にスギ人工林を約2割減らし、30年後に花粉の発生量を半減させる目標を示した。達成のためには伐採面積を増やす必要があるとともに、伐採したスギ材の需要拡大策も欠かせない。豊田合成はスギ材を有効活用する取り組みを推進し、木材としての価値を高めて社会貢献にもつなげる構えだ。