新iPad miniは「見た目以上」のアップデートと値頃感、唯一のプロ向け小型端末に
iPad miniがおよそ3年ぶりに刷新された。カラーリングを除けば、搭載するプロセッサーが高速化した程度しか違いがわからないとボヤく人もいるかもしれないが、見た目だけでは判断できない。 【画像】Apple Intelligence対応以外にも新たな可能性を秘める新型iPad mini 3年前の刷新時は最新のA15 Bionicが搭載されたのに対し、昨年のiPhoneと同じA17 Proの搭載には「ここはA18 Proではないのか?」と疑問に思うだろう。残念ながらその答えは持っていないが、そもそもA17 ProはそれまでのiPhone向けSoCから大きく進化したものだった。 USBの転送速度が10Gbpsに向上し、Neural Engineが倍速で推論を行える新しいモードが備えるようになり、GPUも大幅なアップデートが行われるなど節目となったSoCである。 こうした更新にともない新たな可能性を見せている側面もあるので、まずはそうした部分から書き進めた上で、全体像について触れていきたい。 ■USB転送速度の高速化が用途をひろげる A17 ProはiPhoneにUSB-Cを採用した最初の世代で開発されたAppleシリコンであり、10GbpsのUSB転送に対応したハードウェアが内蔵されるようになった。この変更によって大きなデータを転送する際のストレスが大幅に緩和できる。 動画データの転送が顕著だが、iPad miniの用途ではカメラのRAWデータ転送が典型的な事例になるのではないだろうか。iPad ProならThunderboltを通じて高速接続ができていたわけだが、コンパクトなiPad miniでも高画素の一眼カメラからのRAWデータ転送が高速化することに魅力を感じるユーザーは多いだろう。 加えてiPad miniとしては初めて512GB版が用意された。またスペック上は変化がないディスプレイだが、3年前のモデルに比べると見え味が良くなっており、とりわけ屋外での見やすさは高まっている。 高性能な一眼カメラとともにフィールド撮影に持ち出せば、出先でiPad miniとApple Pencilを用い、iPad版LightroomやPhotoshopなどを用い、合間の時間にも作品づくりのためのRAW現像やレタッチに没頭できる。