民進離党の細野氏、新党設立の意向「野党再編は必要で不可避」
民進党の細野豪志元環境相は8日、野田佳彦幹事長に離党届を提出した。その後の記者会見で、安保法制をめぐる議論や共産党との選挙協力などで党の対応に疑問を感じたことなどが離党を考えるきっかけになったと説明。「新しい政権政党をつくるために、まずは裸一貫ひとりで立ち上がる決意をした」と述べ、離党後は新しい政党を立ち上げる意向を示した。
共産党との共闘は「信念に反する」
18年前に入った民主党を離れることについて、「正直、民進党への愛着はまだある。離党という決断は苦しいものだった」と述べた。 民進党に疑問を感じ始めたきっかけは、国会で安保法制が議論されていた2年ほど前からだったという。民主党としての案も準備したが、その後、党は政府案の「廃案」に傾倒していったとして、「安倍政権の乱暴な国会運営は事実だが、なんとか与野党の合意目指す道を取らなかった」と批判した。 また共産党などとの野党共闘についても、当初は参院選のみの予定だったが、衆院選でも検討されるようになり、「私の中で党を離れるという選択肢が芽生えてきた」。憲法改正議論が党内で進まなかったことも離党理由の一つに挙げた。「共産党との共闘は私の信念に反する」と述べ、こうした党の動きの背景には4月に野党4党で取り交わした合意があると指摘した。 このタイミングの離党になったことは「代表選挙の最中だとか、新体制直後に離れて迷惑をかけたくなかった」「都議選までは少なくとも、というのはあった」と述べた。
政権交代可能な「二大政党が必要」
細野氏は今後、新しい政党の立ち上げを目指す意向とした。安倍政権を脅かす政党が存在しないことが「安倍1強」状態を生んでいるとして、「政権交代可能な二大政党がこの国には必要」と考え、「新しい政権政党をつくるために、まずは裸一貫ひとりで立ち上がる」決意をしたと述べた。 新党は「まずは明確な理念、政策を掲げてその旗のもとに多くの同志が集うのが望ましい」と原則を語った。細野氏は「国政における同志、地方政界の同志は少なからずいる」と述べ、新党の設立までには「野党再編は必要だし不可避」との見方も示した。 東京都の小池百合子知事側近の若狭勝衆院議員が7日に発足を発表した政治団体「日本ファーストの会」は新しい国政政党化を見据えている。若狭氏らとの連携については、「注目して見ているが、まだどういう政策を掲げるのか、どういう理念をもっているのかまだわからない。その部分は全く白紙」とした。ただ若狭氏とは「会いたいと言ってくれているので、機会があれば会いたい」と述べた。