大坂なおみのVスピーチでの「ジェニファー」「ジェニー」の”言い間違い”が海外SNSで炎上騒ぎに
テニスの全豪オープン、女子シングルス決勝で世界ランク3位の大坂なおみ(23、日清食品)が同24位のジェニファー・ブレイディ(25、アメリカ)をストレートで下して2年ぶり2度目の優勝を果たしたが、その優勝スピーチが予想外の物議を醸した。 大坂なおみは、優勝スピーチの冒頭で、ブレイディの健闘を称えようとしたが、その前に「あなたのことをジェニーと呼べばいいの?それともジェニファー?」とブレイディ本人にたずねた。 ブレイディは「ジェニー」と答えたにもかかわらず、大坂は「まず最初にジェニファーを称えたいです」と言ってしまったのだ。 その後、「全米オープンの準決勝で戦いました。私にとってあなたが絶対に難しい相手になると思っていました。その通りになりました。この数か月、あなたのプレーを見てきて刺激されました。非常に努力されてきたと思います、あなたのチームにもおめでとうと伝えたいです。私のチームも家族のようなものです。あなたのチームも様々な冒険をしてきていると思います、お二人(ブレィディのスタッフ)にもおめでとうと伝えたいです、母の話をしていましたね。あなたの家族も友人もあなたを誇りに思っていると思います」と続けて、ブレイディの健闘を称えた。 文脈からすると、明らかに言い間違i、あるいはブレイディの返答の聞き間違いだろう。ブレイディもスピーチ中に不愉快な表情を浮かべることはなかった。だが、この「ジェニファー」発言が、ファンのSNS上で「無礼だ!」「大坂はブレイディの上に立とうとしている」「いや単なる言い間違いだろう」などと拡散し、大きな騒ぎになったのだ。 米メディアも、この問題をクローズアップした。 米ヤフースポーツも「大坂なおみの2021年の全豪オープン決勝は完璧に見えたが、試合終了後に、やらなくてもいいミスを犯した。勝利のスピーチの中で大阪は、相手に感謝をしようとして物事をぎこちなくしてしまった」と取り上げた。 同メディアは「一部の人々は、大坂がブレイディに対して、自分が上だと、支配を主張していると解釈した」と報道。 プロレスのWWEで、ザ・ロックがトラッシュトークでスマック(打ちのめす)していたことに重ね、「90年代に育った方ならザ・ロックのスマックを理解できるだろうが、これはおそらく大坂が意図したものではない。失言の後、大坂は、ブレイディと彼女のチームについて熱く語った」との見解を示し、この「ジェニファー」発言後にブレイディを称えたスピーチの一部を紹介した。 その上で同メディアは、「大坂がブレイディの答えを聞いていなかったか、あるいは、その瞬間の暑さの中で聞き間違えた可能性が高い。 大坂が意図的にブレイディを間違った名前で呼んだとは想像しがたい。 2人の競争相手の間には明らかな賞賛がある」という見方で大坂を援護した。 ニューヨークポストもこの問題を「大坂の全豪オープンでの奇妙なインタビューの瞬間が拡散」との見出しで取り上げたが、「SNSのコメントのほとんどが、25歳(のブレイディ)をその後に称えていることから大坂のただの間違いだろうとしている」と紹介した。 SNSで大坂をバッシングするコメントが多く寄せられていることにも触れた上で、「多くは、この優勝者(大坂)の発言が面白く、当たり障りのない無邪気な側面だと見ている」と、大坂の言い間違い説を主張、2度目Vの”女王”の肩を持った。 おそらく「言い間違い」「聞き間違い」の見解が正しい。大坂は、決して人を侮辱するような人間ではない。先の全米オープンでは大会中に連日、メッセージ入りの黒いマスクをつけて人種差別問題への抗議行動を続けた。それらの姿を見ていればよくわかる。ただ、見方を変えれば、大坂は、ちょっとした言い間違いがSNSを炎上させるほど、その言葉のひとつひとつに影響力を持つ大スターとなったのである。