斎藤工の色気は健在!『昼顔』から10年『海に眠るダイヤモンド』での“色気の自家発電力”がすごい
日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)が最終章に向けて盛り上がってきた。 当初、1950年代の長崎・端島(軍艦島)の人々の生活と2018年の東京の物語が行き来する展開が、両者の関わりを謎にしていたため、指針が得られず、困惑する視聴者もいたようだ。ところが、第6、7話で過去と現在のつながりが見えてきた。 【画像】色気の伸びしろを見せつける斎藤工
斎藤工演じる進平に鮮烈な見せ場が
1950年代、「一島一家」として助け合って生きてきた人たち。彼らは石炭産業で生活を成り立たせていたが、時代が変わるにつれ、島から人は離れ、1974年に閉山、現在、人は住んでおらず、世界文化遺産として観光地となっている。 2018年の東京でホストをやっていた玲央(神木隆之介)は、そんな歴史を何も知らない。あるときその島の出身者であるらしい老女・いづみ(のちに朝子〈杉咲花〉と判明)と出会うことで、知らない歴史に触れるのだ。 玲央はいづみ(朝子)が島で暮らしていたときの大切な人・鉄平(神木二役)に瓜二つであった。玲央と鉄平の関わりとは……と気になるなか、第7話では端島の炭鉱で大きな事故が起こる。幸福だった端島の生活に陰りが……。終わりのはじまりのようなこの事故で、鮮烈な見せ場があったのが、斎藤工演じる進平であった。 進平は鉄平の兄で、端島で炭鉱員として働いている。長男らしい頼もしさがあり、家族や仲間思いの好青年だが、戦時中、戦場でヘヴィーな体験をしたらしく、どこか冷めたところがある。さらに戦後、妻・栄子が台風で行方不明になり、その面影を忘れることができずにいた。そんな進平の哀しみを湛えた陰影が魅力的だ。 やがて進平は、福岡から流れてきた謎めいた女性リナ(池田エライザ)と惹かれあっていく。リナは福岡のヤクザものに追われていて、お互いが抱えている暗い過去のようなものが引き合うかのような、どこかいけない恋愛みたいな空気感がほかのシーンとは桁違いの濃密さで、異質さを放っていた。 斎藤工が彼の出世作である不倫ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(14年 フジテレビ)で、度数の高い酒のようなムードを発揮していたのはちょうど10年前であった。10年経ってもなお、斎藤工の色気は健在であったことに驚いた。