【ニューヒーロー列伝】中野仁照
ブレークの予感が漂う。2021年5月の蒲郡でプロの道を歩み始めた中野仁照が、前々節の下関でデビュー初優出を飾った。 「ホッとしました。流れも展開も良くて」 予選をオール3連対で突破すると、準優では上平真二のイン戦を撃破して1着。優勝戦は4着に敗れたが「いい勉強になった」と収穫はあった様子だ。 勢いに乗った前走の桐生でもベスト6入り(5着)。予選では3連勝を飾るなど、迫力満点のレースを披露した。 「前検からエンジンが良くて。いいレースができました」と笑顔で振り返る。 24年後期適用勝率ではキャリアハイの5・61をマーク。7月からは初のA2級昇格を決めている。 「今までやってきたことがちょっとずつ結果に表れてきたのかな。ペラも自分の形が見つけられてきたし、レースに対する考え方も変わってきた。具体的に? 1着を目指していますけど、6着が多いと勝率が上がらない。これまでは1着か6着の走りが多かったけど、ここは確実に2着を取る場面もあるって」 以前はもろい面があっただけに、経験を積むことや心境の変化で地力を増している印象だ。 「次は優勝とかA1級が目標になるけど、ここで焦ったら事故が増えちゃうから。でも、A2級になったら買ってくれるお客さんが今までより増えると思うので、そこは責任をもってレースをしたい」 ランクアップする自覚が芽生える22歳。今後のさらなる成長に期待したい。(渡辺寿輔) ※次回は7月12日に掲載 ■中野仁照(なかの・よしてる) 2001(平成13)年10月12日生まれ、22歳。愛知県出身、愛知支部。21年3月に128期生として選手登録。次走は7月2日開幕の江戸川第13回ボートレースレディースVSルーキーズバトルに出場予定。164センチ、55キロ。血液型A。