高校ラグビー 日本代表の卵たちが「聖地」花園に集結 無敗のキャプテン、平尾誠二2世...など注目の4人
【ベンチプレス130kgを上げるパワー】 そして今大会3枠ある、もうひとつのAシードには石見智翠館(島根)が選ばれた。今季は選抜大会で準優勝を果たすなど安定した成績で初のAシードを手にしたチームの大黒柱が、身長180cm・体重105kgの体躯を誇るNo.8/HO祝原久温(いわいはら・くおん/3年)だ。 福岡県出身の祝原は、小学校5年生の時に「体重70kgで太ってきたからダイエットのため」の理由でラグビー競技を始めた。中学ではWTBだったが「佐藤健次選手(現・早稲田大4年)に眉毛が似ている」と言われたことで意識するようになり、佐藤が当時プレーしていたN0.8に転向した。 高校は「普通の青春がしたかった!」の理由で男子校の東福岡ではなく、共学の強豪校を志望し、親元を離れて石見智翠館に進学。「僕の代はみんなウェイトトレーニングが好きです」と話すように、祝原も日々トレーニングに明け暮れてベンチプレスで130kg以上を上げるようになり、強靱な肉体を得た。 今季、出村知也監督は「グラウンドで体を張れる選手になれば、もっと飛躍できる」と期待して祝原をキャプテンに任命。本人も「チームに勢いをもたらしたい」とアタックだけでなくディフェンスでも体を張るつもりだ。 将来について、祝原は「高校日本代表はもちろん、U20日本代表、フル代表に選ばれて活躍できる選手になりたい」と語る。石見智翠館を初の日本一に導けるか。 最後の4人目は、ノーシード校ながら注目を集める京都市立京都工学院(京都)の司令塔を紹介したい。9年ぶり21回目の出場となる京都工学院は、テレビドラマ『スクール☆ウォーズ』のモデルとなったことで知られる「フシコー」こと伏見工業が前身。過去4度の花園優勝を誇る古豪は2016年に洛陽工業と統合し、現在の校名は初の花園出場となった。 伏見工業の赤黒ジャージーの10番といえば、誰もが思い浮かべるのが元日本代表SO平尾誠二だろう。その背番号を昨季から背負っているのがSO杉山祐太朗(2年)だ。 杉山の特徴は、パス、スキル、ランの3拍子が高いレベルであること。強豪・京都成章との予選決勝でもジャッカルを決めて勝利を呼び込むなど、細身に見えるも体を張ることを厭わないSOだ。