深刻な赤字路線のJR花輪線、廃線回避へ沿線住民に年1回の乗車呼びかけ…100円稼ぐのに1万円超かかる区間も
市民団体の呼びかけでJR花輪線の未来を考える市民集会が8日、秋田県鹿角市交流プラザで開かれ、約40人が花輪線の存続を呼びかけた。 【図】一目でわかる…輸送密度が100人を下回る路線(JR東・西管内)
JR東日本が10月に公表した営業係数によると、花輪線は秋田・岩手県境を結ぶ荒屋新町―鹿角花輪駅間で100円の収入を得るのに1万916円の費用を要する赤字路線。
集会では、各地の廃線・運休状況や、線路の維持管理を自治体が担い、鉄道事業者の負担を減らす上下分離方式、鉄道事業者と自治体が話し合う再構築協議会について説明。花輪線など利用者の少ない県内の6路線12区間で近い将来、存廃を巡る議論が始まるとして危機感を訴えた。
昨年4月に設立され、初めて集会を開いた「花輪線の未来を考える会」の柳沢重和会長は、花輪線が一昨年夏の豪雨で約9か月間、一部運休した災害に言及し、「次に長期運休となればバス転換などへ廃止議論が始まりかねない」と述べ、鹿角市などの沿線住民に1年1回の乗車を呼びかけた。