トランプの勝利は意外ではない カマラ・ハリスの敗因は?「人々が抱える不安や怒りにうまく向き合えなかった」「怒りの感情に訴えなかったこと」
◆アメリカ国民が抱える“怒り”に寄り添うべきだった
トランプ氏は差別的で、女性やマイノリティを攻撃する言動が目立っています。さらには、複数の有罪評決を受け、いくつかの刑事事件の裁判が進行中の状態で就任する、初のアメリカ大統領でもあります。その影響は選挙でまったくなかったのでしょうか? ラボメンバーたちは、ハリス氏の敗因について意見交換します。 メアリー:ハリスが失敗した主な理由は、「トランプは本当にあなたたちにとって悪い存在だ」ということを強調しなかったからだと思う。悪い点にあまり触れず、ただいい人ぶっていて、最初から負けていた感じがするんだよね。「みんな仲良く楽しく戦いましょう」みたいなメッセージって、ちょっとありえない感じもした。 一方で、トランプ側は「ハリスは共産主義者でファシスト。絶対に打倒する」なんて言っていた。ひどい嘘で攻撃されているのに、なぜ「いい人」でいようとするんだろうと思った。 とにかく、今の状況に多くの人が怒りを感じている。経済や外交政策、いろんなことに人々は怒っているのに、ハリスはその怒りの感情に訴えなかった。それどころか、「大丈夫。私たちは順調よ。次の4年間もこれまで通りに続けていきましょう」みたいに言っているように聞こえた。 シェリー:彼が有罪判決を受けたことについては? メアリー:誰も気にしていない。どうせ政敵を倒すためのバイデン政権の陰謀だと思っているから。もし本当に罪人であっても、自分たちの仲間だから気にしない。 ヒカル:彼を支持する人たちは、ただの支持者ではなく「信者」のようなものだと思う。必ず大統領になるべきだと信じている、真の信者たちなんだよね。 トランプ氏を悪い存在として描ききれなかったばかりか、逆に攻撃されてしまったハリス氏。正しいかどうかは別として、トランプ氏は「不法移民を強制送還さえすればすべての問題が解決する」というシンプルなメッセージを打ち出し、国民の怒りに寄り添ってアメリカ人を連帯させました。人々が抱える不安や怒りにうまく向き合えなかったことは、ハリス氏が失速した要因の1つではないかとラボメンバーたちは考えます。 そして、その怒りのメッセージがもっとも響いたのは、実はZ世代の男性でした。11月6日放送の「NY Future Lab」では、男女の分断、女と男どちらが多く投票するかで勝敗が決まるとお伝えしましたが、結果は男性の勝ちだったようです。 (interfm「NY Future Lab」2024年11月13日(水)放送より)