リアル中学受験 「グラスの周りに水滴がつくのはなぜか」説明できる親になりたい リアル中学受験-わが家の場合
■「復習が大事」とは言うが 「親は教えないでほしい」。その言葉に反発して退塾を告げたものの、その後のことは何も決まっていませんでした。インターネットなどを頼りに他塾を探しても、しっくりくるところはなく、このまま本当に塾なしで受験に突入するかもと思ったときでした。家の近所に有名な国語塾があることを知ったのです。 その先生に相談すると、「同じように途中で塾を辞めた子はたくさんいる」とのこと。さらに国語だけでなく他の教科の先生も週一程度で授業を担当しており、国社、算理などに分けると週2日の通塾で済むスケジュールです。これは魅力的でした。以前の塾は週3回、6年生になると4回の週もあります。しかも家から30分程度はかかっていたため、通うだけで疲れていた様子もありました。空いた日はこれまで出来なかった復習に使ったほうがよいとも考えました。 よく塾では「復習が大事」「基礎を繰り返せ」などと言いますが、結局は塾に通うことが目的になり、復習の時間など取れなくなるのが現実です。娘も納得して「方針変更」を受け入れました。ただ、子供なりに思うことや塾の友達のこともあったのでしょう。最後に塾から出てきたときは泣き顔でした。親としても、もう後には引き返せないという思いを強くしました。 ■知的好奇心くすぐる中学受験 前回も少し触れましたが、「教える」のではなく、「一緒に勉強する」とは、どういうことでしょうか。これはやってみればわかりますが、「教える」にしても、そもそも親に基礎知識がない。単にテキストを見てわかったような気になっても、付け焼刃なのですぐに忘れてしまいます。「子供と同レベル」になるだけでも、親は子供以上にじっくり考えなければならないのです。 そのためには多少なりとも子供より先回りした予習が必要で、根本的になぜそうなるのかを理解することが肝心です。ただ、これが意外と楽しくなってくるのです。 典型的なのが理科だと思います。最初はとっつきにくいですが、テキストなどを見ているうちに少しずつ興味が沸いてきます。例えば、なぜグラスの周りに水滴がつくのか、風はなぜ吹くのか、天気はなぜ西から下り坂なのか…。小学生の時はほとんど興味のなかった科学の知識が、だんだんと面白く感じてしまう。以前、学研が大人向けの「科学」と「学習」を出版したらヒットしたという話がありましたが、大人から見ると子供の頃の勉強があらためて知的好奇心をくすぐることもあるのです。これは、算数を担当した妻も同じように感じていたようで、わが家は「中学受験勉強」一色に染まっていきました。