「外遊びの時間が減ると近視になりやすい」の事実 --大事なのは、遺伝よりも子ども時代の環境
窪田:外遊びに対する認識が、都市部と地方で違うというお話は面白いですね。実は、住んでいる地域によって近視のなりやすさにも違いが出るんです。 為末:そうなんですか? 窪田:例えば、シンガポールのようにビルが建ち並ぶ環境で育ち、ずっと室内で遊んでいたような子どもは、近視になる確率が高くなります。日本の都市部も同じような環境です。 それに対して、オーストラリアのような広々とした土地に暮らすと、外に出る時間が多くなり、自然と近視の有病率は下がっていきます。
為末:なるほど。それほど環境的な要因が大きいのですね。 窪田:はい。ですから、たとえ遺伝的には同じ要素を持っている家族だったとしても、住んでいる場所が違えば、近視のなりやすさも変わります。それを知ってもらえると、外遊びを推奨する重要性も分かってもらえるのではないかと。 次回はさらに深掘りして、子どもの外遊び時間が減ったことで、他にどんな問題が起こっているのかをお聞きしていきます。 (構成:安藤梢)
窪田 良 :医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO/為末 大 :元陸上選手