リバティ・メディア、F1の株式を1200億円分売却。MotoGPの買収資金を調達へ
F1のオーナーであるリバティ・メディアは、8億2500万ドル(約1200億円)分のF1株式を売却。MotoGPの買収資金に充てることを発表した。 リバティ・メディアは今年4月、1992年からMotoGPを所有するスペインのドルナ・スポーツの株式86%を取得することを発表した。買収額は42億ドル(約6111億円)であり、残りの株式はMotoGPの経営陣が保有する。 そのリバティは、保有するF1株を1株あたり77.50ドルという価格で1000万株以上売却。これによりドルナとの取引を完了させるために必要な資金を得ることになる。 8月22日(木)に株式の売却を認めたリバティ・メディアの声明には、次のように記されている。 「リバティ・メディア・コーポレーションは本日、すでに発表していたシリーズC リバティ・フォーミュラ・ワン普通株式(FWONK)1065万株の公募価格を1株あたり77.50ドルで決定したと発表した。リバティ・メディアはまた、この公募の引受業者に159万7500株を上限とするFWONKの追加購入オプションを付与した」 「この募集は、慣習的な終了条件が満たされることを条件としており、2024年8月22日に終了する予定だ。この募集によりリバティ・メディアは、引受人のディスカウントおよびリバティ・メディアが負担する募集費用の見積もりを差し引く前の額として、約8億2537万5000ドルの総収入を得る見込みだ」 「リバティ・メディアは、先に開示したドルナ・スポーツ S.L.の買収提案(以下、「買収」)の一環として、FWONKの株式と引き換えに現金を得て支払うオプションを行使する意向であるため、支払われる対価はすべて現金で構成され、売り手にFWONKの株式が発行されることはない」 なおFWONKの発行済株数は2億株以上とされているため、今回売却された株式はその5%程度である。 ドルナの買収プロセスは、両者が望む以上に長引いた。両者は早々に条件面では合意しており、MotoGPの開幕前に買収を発表することを目指していたからだ。 カタールの政府系ファンドであるカタール・スポーツ・インベストメンツや、アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ(UFC)とワールド・レスリング・エンターテインメント(WWE)のオーナーであるTKOなどからもMotoGPには関心が寄せられていたが、リバティ・メディアがそれを退けた形だ。 「我々は、MotoGPの買収によって、ライブ・スポーツとエンターテインメントの主要資産のポートフォリオを拡大できることに興奮している」 リバティ・メディア社長兼CEOのグレッグ・マフェイは、買収が発表された際にそう語った。 「MotoGPは、忠実で熱狂的なファンを持ち、魅惑的なレースを展開し、キャッシュフローを生み出す財務体質を持つ世界的なリーグだ。カルメロ(エスペレータ/ドルナCEO)と彼の経営陣は素晴らしいスポーツ・スペクタクルを築き上げ、我々はそれを世界中の観客により広く提供することができる」 「このビジネスにはポテンシャルがあり、MotoGPファン、チーム、商業パートナー、そして株主のためにこのスポーツを成長させるつもりだ」 2016年にリバティ・メディアがF1を買収して以来、シリーズへの関心は過去最高となり、価値と収入が増加した。リバティはMotoGPでも同様の成功を収めたいと考えている。
Mark Mann-Bryans
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