サブカル文脈から読み解く日本アイドル、BABYMETALと新しい学校のリーダーズ
本当に好きなものがある人たちがカウンターなものを作ることにダイナミズムがある
弱者大宴会 / ゆるめるモ! 田家:2023年6月に発売になったゆるめるモ!の「弱者大宴会」。 西澤:いいタイトルですよね。作詞作曲は玉屋2060%さん。でんぱ組の曲を書いていたりもしますし、ゆるめるモ!のメンバーが変わった今、2024年の子が歌っている。ちゃんと連綿とももクロが開いたサブカルチャーをつながっている曲だなと思います。 田家:あのちゃん以降のゆるめるモ!ですよね。 西澤:そうですね。歌詞もすごい体現していますよね。サブカルチャーを。弱者だったり、はみ出たものたちに対してのやさしい視線が描かれている。サブカルチャーの大事なところって、好きなものを追求した先に生まれるものだと思っていて。ビジネスも当然そこに介在してくるとは思うんですけど、それ以前に本当に好きなものがある人たちが何か新しいもの、カウンターなものを作ることにダイナミズムがあるんじゃないかなと思うので。 田家:曲の中でも、カウンターカルチャーと言ってましたもんね。 西澤:そうですね。この曲は本当にすべてを言い表してくれている曲ですね。 田家:そういう意味では西澤さんはこれからもずっとサブカルシーンをご覧になっていくんでしょうね。 西澤:おもしろいことが起こってくれることを祈ってますね。 田家:わかりました。1カ月間ありがとうございました。 静かな伝説 / 竹内まりや 流れているのは、この番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。 先週の後枠で、来週どうなるかなと思いながらお送りしようと思いますとお話をしましたが、それは理由がありまして。今週のBABYMETALと新しい学校のリーダーズが、先週まで取り上げていたアーティストたち、グループたちとちょっと違うなというのはあったんです。それは今日の2組は大手の事務所があったり、すでに経験のあるプロの人たちがかなり関わっているということで。個人が思いつきと情熱と夢で始めたというのとは違う経過を辿っているということがあってそう思ったのですが、こんなふうに終わりました。最後に西澤さんが1カ月の締めくくりとしてゆるめるモ!の「弱者大宴会」をかけてくれたことに、僕は心から感謝しております。 1週目でこの企画、2カ月間ぶっ通しの企画は2つの理由があってという話をしました。1つは西澤さんという人がいたからなんですね。この番組をずっと文字起こししてくれている人が、サブカルシーンをずっと見ている人だった。それを活かせないかなと思ったのが1つ。もう1つがみゆきさんの展示会が9月1日まで行われているわけで、7月と8月でまるまるみゆきさんの曲をかけるにはどうしたらいいかと思って、そうか「時代」だと思ったんですね。時代が巡るということでサブカルを取り扱うと、それができるかもしれないなということでこうなったわけですね。 この2カ月間がどんなふうにあなたのところに届いて、あなたがどんなふうにお聴きになっただろうなというのは、かなり恐る恐るではあるんですけども、こういう音楽の流れがある。サブカルがあるからメジャーシーンがある。メジャーシーンがあるから、サブカルがある。そのおもしろさみたいなことが伝わればいいなと、あらためて思うことでもあります。やっぱりサブカルチャーを永遠にというのは、最後にお伝えしたいことかな。もちろん、メジャーの方がおもしろいところもありますが、サブカルの面白さを知ることで世の中が違って見えることがたくさんあるのではないでしょうか。みゆきさんのアルバムのタイトルを借りれば「世界が違って見える日」になるかもしれません。 <INFORMATION> 田家秀樹 1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。 「J-POP LEGEND CAFE」 月 21:00-22:00 音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストにスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。 OFFICIAL WEBSITE : OFFICIAL Twitter :@fmcocolo765 OFFICIAL Facebook : @FMCOCOLO radikoなら、パソコン・スマートフォンでFM COCOLOが無料でクリアに聴けます! →
Rolling Stone Japan 編集部