戦略性の高い「サイカンウィナーズゴルフクラブ」で再確認したマネジメントの重要性。攻略のカギは6番アイアンを握る安全志向【西スポOTTOゴルフ企画】
西スポWEB OTTO!のゴルフ企画「スコア100、90、80の壁に挑戦」は、アベレージ90台を目指す筆者が、佐賀県多久市の「サイカンウィナーズゴルフクラブ」に挑戦した。国内最大級のゴルフ関連ポータルサイト「ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)」が運営するレッスンスクール「ゴルフテック福岡天神店」での継続的な指導の効果を実感したラウンドとなった。 ■サイカンウィナーズを詳しく知る【関連】 佐賀の秋空に放物線が描かれた。10番ミドル(384ヤード)。ティーショットのドライバーがテンプラ気味のミスとなり、左のラフにそれた後の2打目。残り240ヤードで選んだのは6番アイアンだった。高く上がった打球はグリーン手前の残り70ヤードの位置につけた。 打ち下ろしの14番ロング(499ヤード)では、ティーショットが真っすぐ伸びてフェアウエーに着弾。ここでも2打目で6番アイアンをチョイスした。今までこうした状況では少しでもグリーンに近づけようと、深く考えずにウッドやユーティリティーを選択することが多かった。その安易なマネジメントが、スコアアップを阻む大きな要因であることが自分でも分かり始めていた。 かねてロングアイアンが不得意で、最も大きい番手は6番にしている。当たりの良しあしにもよるが、飛距離はおおむね170ヤード前後といったところ。ウッドを選べば200ヤード近く飛ぶこともあるが、左右へのミスが増える。2打目以降のOBは心理的なダメージも大きく、スコアを大きく崩しがちだった。 単純計算で、500ヤードのパー5ならドライバーで200ヤードを放てば、残り300ヤードは6番アイアンを2度打てばグリーンに乗る。その方がリスクが低く、スコアの大崩れを防げるかもしれない。これまでのゴルフテックのレッスンを通じ、そういう考え方を学んでいた。 そこで今回のラウンド前、西瑞樹コーチにお願いしたのが6番アイアンの再確認だった。「それは大事な考え方ですね」。意図を理解してくれた西コーチと改めてスイングを見直した。インサイドアウトの軌道で打つことを徹底し、左手のひらをグリップにかぶせるように持つ。西コーチと話しながら、ふと気づいた。これは過去のレッスンで学んだことだと―。 「一度伝えたことでも時間が経過して忘れる場合はあります。他の動きを意識するあまり、できていたことができなくなるケースも少なくありません」。西コーチは説明してくれた。だからこそ、自分の変化を継続的かつ客観的にチェックしてもらうことに価値がある。技術だけでなく、いわゆる〝ゴルフ脳〟のスキルアップにもつながる。 ラウンド前、コースを案内してくれた「サイカンウィナーズゴルフクラブ」の鴨川裕充さんは「高低差があってトリッキーなコースなので、マネジメントが大事になります」と教えてくれた。その言葉があったからこそ、事前レッスンの価値を実感できた。 最近はプライベートのラウンドで、ハーフ40台やトータル90台も記録できるようになった。上り調子を実感している。今回はスケジュールの都合もあって取材は5ホールのみだったが、3ボギーにダボとトリプルが一度ずつという内容だった。ここからどう立て直すか、という楽しみを考えれば、少し心残りのラウンドだったが、そんな気持ちを癒やしてくれたのがクラブハウスの前で待っていたかわいいカモだった。野性ではなく、コースで飼育しているということで、どこか人慣れしているところもある。他にもガチョウもいるとのことで、急きょ案内してもらった。 アウトの8番にたどり着くと、すごい勢いで三羽が近づいてくる。ちょうど餌やりの時間帯だったようで、用意されたパンの耳に食いついている。鴨川さんは「ゴルフ場でガチョウが見られるのは珍しいかもしれませんね」と目を細めた。運が良ければ、ラウンド中に遭遇する可能性もあるという。そんな瞬間も楽しみにしながら、学んだマネジメントの成果を発揮するための再来を誓った。 ランチは韓国料理の「スンドゥブチゲ」(1650円)。唐辛子が効いた熱々のスープにエビやアサリの出汁が溶け込み、韓国人ゴルファーお墨付きの本場の味だ。冷え込みが厳しくなる冬は、体を中から温めてくれる。ライスを入れても最高で、韓国ノリが添えてあるのもうれしい。熱々の鉄板でいただく「生姜焼定食」(同)も箸が止まらないおいしさだ。 ■サイカンウィナーズゴルフクラブ 佐賀県多久市北多久町小侍1803の1。九州自動車道の多久インターチェンジから車で約10分。0952-75-5151。
西日本新聞社