迎撃可能な次世代イージス駆逐艦 海軍に引き渡し=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国海軍の次世代イージス駆逐艦「正祖大王」の引き渡し式が27日、建造されたHD現代重工業蔚山造船所で開かれ、防衛事業庁や海軍、同社の関係者らが参加した。同艦は北朝鮮の弾道ミサイルの探知・追跡にとどまらず迎撃も可能で、「海軍の拳(こぶし)」と呼ばれる。 次期イージス駆逐艦1番艦の同艦は2022年7月に進水式が行われ、防衛事業庁とHD現代重工業による試運転などの基本性能検証手続きが行われた。 正祖大王は軽荷排水量8200トンで海軍が保有する駆逐艦のうち排水量が最も大きく、最大速力は30ノット(時速約55キロ)に上る。 最新の「イージス・システム」を搭載する同艦は弾道ミサイルの探知・追跡だけでなく迎撃能力を保有し、海上における「韓国型3軸体系」の中核となる戦力。韓国型3軸体系は北朝鮮のミサイル発射の兆候を探知して先制攻撃するキルチェーン、発射されたミサイルを迎撃する韓国型ミサイル防衛体系(KAMD)、北朝鮮から攻撃された場合に指導部などに報復攻撃を行う大量反撃報復(KMPR)からなる。 正祖大王には、従来のイージス駆逐艦の「世宗大王」級(7600トン)とは異なり、艦対地誘導弾や長距離艦対空誘導弾が搭載され、弾道ミサイル迎撃能力はもちろん、遠距離打撃能力も備える。世宗大王級より弾道ミサイルの探知・追跡能力が向上し、ステルス性能も強化された。 対潜水艦作戦のために韓国の独自技術で開発した先端のソナー(水中音波探知機)システムが搭載され、長距離対潜魚雷、軽魚雷を備える。またMH60Rシーホーク海上作戦ヘリの搭載も可能だ。 推進システムは既存のガスタービンエンジン4基に電気推進システム2台を加えた。これにより、一般の航海では燃料を節約して効率的に航行することができる。
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