親が「もらえるものは早く受け取る」と、年金を60歳から受給するようです。65歳からより「損」しないか心配なのですが大丈夫なのでしょうか?
著者作成 図表2の結果からは、男性女性ともに寿命90歳と仮定した場合、65歳からの受給開始の方が、60歳からの受給開始と比べ、受け取り総額が約396万円増えることが分かります。さらに、図表1の結果と比較した際には、長寿であるほど、受給開始タイミングが受け取り総額に与える影響は大きくなることが分かります。 図表2をもとにした場合、男性女性ともに90歳まで存命と仮定すると、やはり「65歳からの受け取り開始の方が金銭的メリットは大きい」という結論になるようです。
60歳時点での家計状況などをもとに慎重な判断を
図表1・図表2の結果を元にすると、平均寿命以上に存命すると仮定した場合には、65歳から年金の受け取りを開始した方が、60歳受け取り開始よりも金銭的メリットがあると判断できます。一方で、いつまで生きるのかといったことは誰にも分からないため、「一律に65歳からの受給がよい」と断定することはできません。 また、60歳を迎えた際の家計の状況や就労状況なども踏まえて、受け取り開始のタイミングを判断する必要があります。一度年金の繰上げ受給をしてしまうと、変更することはできなくなるため、年金の受け取り方については慎重に検討してください。 出典 厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況 執筆者:小林裕 FP1級技能士、宅地建物取引士、プライマリー・プライベートバンカー、事業承継・M&Aエキスパート
ファイナンシャルフィールド編集部