夫婦合わせた「年金の最高受給額」はいくら?どれくらいの人が受け取っているの?
年金はなるべく多くもらいたいという方は多いでしょう。実際、最高額はいくら受け取れるのかが、気になる方もいるのではないでしょうか。 もし夫婦の世帯で、2人がともに受給額が最高額であれば、金額は大きなものとなります。しかし、その分条件も厳しく、実際に最高額に近い年金を受け取っている方はごくわずかです。 今回は、年金の最高額についてと、実際にどれくらいの割合で最高額に近い金額を受け取っている方がいるのかについて、ご紹介します。
夫婦で受け取れる年金の最高額
夫婦の年金最高額は、計算上、夫婦ともに個人での年金が最高額であることになります。そこで、まずは個人の年金最高額を計算しましょう。今回は、令和4年時点の年金額を参考に算出します。計算する条件は、以下の通りです。 ・年金に加入したのは、平成15年4月以降と仮定 ・老齢厚生年金は報酬比例部分の金額とする ■老齢基礎年金 日本年金機構によると、令和4年時点の老齢基礎年金は満額で毎月6万4816円でした。年額に換算すると77万7792円です。 なお、老齢基礎年金には、付加保険料と呼ばれる制度もあります。国民年金の加入期間中に付加保険料を支払うと、200円×付加保険料を納めた月数が年金額に加算される点が特徴です。 しかし、付加保険料は厚生年金に加入していると利用できないため、今回は計算に含めません。 ■老齢厚生年金 老齢厚生年金を計算するには、給料を一定金額ごとに等級で区分けしている標準報酬月額と、税金を引く前の賞与額から1000円未満を切り捨てた金額の標準賞与額を求める必要があります。 標準報酬月額の最高等級は32級の65万円であり、年換算では780万円、賞与は3回を上限、かつ1回の賞与額は上限150万円までとされており、年間では最高450万円です。標準報酬月額と標準賞与額の年換算を足すと、1230万円になります。 つまり理論上は、年収1230万円以上の方は老齢厚生年金の最高額を受給することが可能です。 老齢厚生年金は、標準報酬月額と標準賞与額から求められる平均標準報酬額を基に、報酬比例部分を計算して求められます。今回のケースでもし20~70歳まで厚生年金に加入していたとすると、平均標準報酬額は102万5000円ですので、報酬比例部分は337万815円です。 老齢基礎年金の最高額と合わせて年額414万8607円、月額約34万5717円が個人の最高金額となります。夫婦がともに年金の最高額を受け取っていた場合、合計額は829万7214円です。