名古屋で広がる「モルック」の輪 年齢や性別問わず楽しめるスポーツで“居場所づくり”に
大学時代にモルックと出会った首藤さん
名古屋モルッカーズの代表は、兵庫県姫路市出身の首藤和範さん(31)です。モルックに出会ったのは、岡山の大学に通っていた時でした。 「人とコミュニケーションを取ることが苦手な性格で、サークルに入っても同年代に馴染めず、学生相談室に『友達ができません』と相談しました。するとカウンセラーの先生から『面白い先生がいる』と、大学の准教授の先生を紹介してもらって。その准教授が学童保育にかかわっていた関係で、ある日研究室に現役の学童保育の先生が来ていました。その先生がモルックのセットを持っていたんです」(首藤さん) 初めてモルックを見た時、首藤さんも何に使う道具なのか全くわかりませんでした。 「先生に聞いて体験してみて、意外と面白いな、やってみようかなという気持ちになったのがきっかけです」(首藤さん)
就職した名古屋で感じた孤独
モルックにはまった首藤さんですが、大学を卒業すると名古屋の企業に就職することになり、モルックから離れてしまいました。 「大手電気メーカーのエンジニアとして設計の仕事を1年間やっていましたが、だんだん辞めたいと思うようになって…。名古屋には友達もいないし居場所もなかったので、友達作りや居場所を求めて交流会などを転々としていました」(首藤さん) モルックを思い出したのは、たまたま参加した「旅好き飲み会」でした。 「飲み会で『好きな国や行ってみたい国をプロフィールで書いてください』というのがあって、そこに『フィンランド』と書いている女の子が目の前に座っていました。『そういえばモルックはフィンランドのスポーツだよな』と思い出し、『モルックって知ってる?』と聞いてみたら、『知ってる』と答えてくれて、そこから会話が盛り上がりました」(首藤さん) 他の参加者から「モルックって何?」と聞かれ、モルックのルールや学生時代のエピソードを話すと、「面白そうだからやってみよう」と声が上がったといいます。 「会話のネタからまさかの反響が起きて。僕も何かやりたいことを探していたので、『これも何かのご縁かな』と思い、名古屋の地で4年前にモルックを再開しました」(首藤さん)