伊東純也と中村敬斗のピンポイントクロスはフランスでも指折りレベル 前半戦のベストプレーは?
【伊東なくして成立しない攻撃】 ただ、それだけでは相手の厳しいマークで潰されかねない。だが、伊東はそうならないために、相手のマークを外すべく自由にポジションを変える。 それによって、対峙する相手DFは単純なマークだけでは伊東を捕まえきれなくなってしまうだけでなく、右サイドに空けたスペースを1トップのウマル・ディアキテが有効活用。今シーズンは、本来フィニッシャーのディアキテが右サイドからチャンスを作るシーンが増え、相乗効果が生まれ始めている。 そしてもうひとつ、最大の武器とされるクロスボールの精度がより高まっていることも、伊東が活躍できている要因として挙げられるだろう。日本代表の試合でもすっかりお馴染みとなっているが、伊東が繰り出すクロスボールのピンポイントぶりは、リーグ・アンのなかでも指折りのレベルにある。 たとえば、第8節のオセール戦の後半アディショナルタイムに中村のゴールを演出した絶妙なクロスは、その典型例だ。そのほかにも、決定機逸に終わったピンポイントクロスも数多く、スタッド・ランスの攻撃パターンのなかで伊東のクロス供給は最大の武器となっている。 まだ伊東不在の試合がないので断言こそできないが、少なくともスタッド・ランスのチャンスメイクは伊東なくして成立しない、というのが現状と言える。 一方、リーグ・アンのなかで最も著しい成長を見せている選手のひとりが、ここまで6ゴールをマークしてチーム内得点王となっている中村だ。 今シーズンは左ウイングのレギュラーとして定着している中村は、これまで出場した15試合のうち14試合に先発。出場時間も1171分を記録し、すでに昨シーズンの出場時間1389分に迫る勢いだ。同じポジションのライバルとされるデンマーク代表のモハメド・ダラミーが負傷により長期離脱を強いられていることもあるが、ここまでの活躍ぶりからすれば、もはやその影響は大きくはない。