伊東純也と中村敬斗のピンポイントクロスはフランスでも指折りレベル 前半戦のベストプレーは?
【中村の覚醒ぶりを示したゴール】 中村が覚醒するきっかけとなった試合が、9月15日に行なわれた第3節のナント戦だ。開幕から2試合連続で先発出場していた中村だったが、その試合は代表ウィーク直後とあって、これまで唯一のベンチスタート。左ウイングには、開幕戦から急成長ぶりを見せていた下部組織出身のヤヤ・フォファナ(20歳)が先発した。 中村がそのフォファナに代わって途中出場したのは、1-1のタイスコアで迎えた後半73分。すると、後半アディショナルタイムに伊東のアシストから値千金の決勝ゴールを流し込み、それがその後に始まる連続ゴールの口火となった。 続く第4節の相手は王者パリ・サンジェルマンとの一戦だったが、その重要な試合でも先制ゴールを決めると、第8節のオセール戦まで5試合連続ゴールをマーク。ヨーロッパの主要リーグにおける日本人の連続試合得点記録を更新した。 そのなかでも圧巻だったのは、第7節のモンペリエ戦だ。まずは前半25分、敵陣ペナルティエリア手前で相手DFのクリアボールを回収した中村は、そのままドリブルで中央に流れて右足一閃。何もないところから独力で生み出したそのゴールは、中村の覚醒ぶりを示すものだった。 さらに後半57分には、左サイドから狙いを定め、伊東のようなピンポイントクロスを右足で供給し、ディアキテのゴールをアシスト。その絶品クロスも、今シーズンの中村の進化を証明するプレーだった。 もともとシュートテクニックと決定力を武器とする中村だが、今シーズンはさらに磨きをかけた印象だ。 とりわけシュートシーンの落ち着きは目を見張るものがあり、シュートする時にほとんど力みを感じさせない。おそらく加入2シーズン目とあって、リーグ・アンに順応したのだろう。持っているシュートテクニックを試合のなかで発揮できていることが、そのまま決定力アップにつながっている。