「彼らをリスペクトしている」巨人・阿部監督が中大後輩の天敵を絶賛した理由 異例の助言も
巨人の阿部慎之助監督(45)が8日、母校の後輩のDeNA・牧秀悟内野手(26)と阪神・森下翔太外野手(24)を褒めちぎって警戒度を高めた。静岡・熱海市内で行われた「中央大学硬式野球部若手OBOGゴルフコンペ2024in熱海」に参加。11月のプレミア12で侍ジャパンの主軸を担った両選手と交流して「みんな別々だけど頑張ろう」と名勝負で球界を盛り上げることを誓い合った。 球団の垣根を越えて交流した。阿部監督は中大OBゴルフで牧と同組でプレー。相模灘から吹く海風の中、同じカートに乗って「楽しく回ったよ」と野球談議、ゴルフ談議にも花を咲かせてリフレッシュした。 後ろの組では森下が阿部監督の恩師でもある野球部の清水監督と同組で回っていた。4年ぶりにリーグ優勝した巨人と最後まで大混戦を演じたのが阪神とDeNA。両チームの主軸は抑えないといけない。「そりゃ、そうだよね。頑張るよ」と警戒度をマックスに高めた。 今季、巨人投手陣は牧と森下ともに3本塁打を許した。もちろん、打たれたら痛い。その上で阿部監督は「ああいう精神的な強さとか表情は、昭和の人たちは『相手とケンカだぞ』って言ってたと思うけど全くその通りで。ちょっとでも自分が弱みを見せたらつけ込まれてしまうと彼らは分かっているからこそクリーンアップを任されたりしていると思う。あれは後輩だからじゃなくて褒めてあげたい」と2人を称賛。日頃、巨人の若手に求めている姿勢と重なる部分がある。 CS最終ステージ第6戦では、同点の9回に牧が菅野から決勝適時打を放ち、巨人の日本シリーズ進出を阻まれた。「最後、牧に打たれたんだけど、悔しいなと思って夜、冷静に考えたら、牧だからいいかと思っちゃった。仕方ないなって。僕は彼らをリスペクトしている。大した選手になったなと思いながら見ている」。敵ながら勝負強さや打席内で初球からフルスイングする強気の姿勢に心の中で拍手を送っていた。 この日のゴルフ場では、野球の質問も歓迎してアドバイスした。牧は「(打ち方の)ここが悪いというのを指摘してもらって、こうすれば打てるよみたいなことを教えてもらった。練習で生かしたい」と吸収。他にも「年齢を重ねていった時にどういう対応をしたか聞けた。すごくありがたいです」と感謝していた。 他球団の選手への異例の惜しみない助言は、それだけ敬意を抱くと同時に、球界全体のレベルアップを願う思いもある。侍ジャパンでも主軸として11月のプレミア12で自信を深めた牧や森下と巨人投手陣が名勝負を演じて抑えられれば、自チームの力が上がることになる。「みんな(チームは)別々だけど頑張ろうという話をしたよ」と阿部監督。中大の後輩との交流で野球界を盛り上げる決意を新たにした。(片岡 優帆) ◆DeNA牧の今季巨人戦 レギュラーシーズンでは、セ・リーグの対戦チーム別では最少の7打点。しかし、クライマックスシリーズ最終ステージ第6戦、2―2で迎えた9回2死三塁で、菅野のカットボールをとらえて左前へ勝ち越し打。日本シリーズへと導いた。 ◆阪神森下の今季巨人戦 8月12日に自力優勝の可能性が消滅したが、翌13日の巨人戦(東京D)でプロ初となる4番で先発。初回2死二塁でグリフィンから11号2ランをたたき込み、自力V復活に貢献。今季、得点圏打率は5割をマークし勝負強い打撃を見せた。
報知新聞社