高齢者が盛り上がる「歌のレクリエーション」を10倍楽しくする【遊びリテーション】チョイ技5選
ハーモニカやカスタネット……。楽器があるとより盛り上がる
これまでお伝えしてきたように、遊びには歌が欠かせません。現場では伴奏なしで歌ったり、CDで音楽を流して歌ったりしているかもしれませんが、できれば楽器が欲しいところです。 これには訳があります。というのも、介護職が楽器を演奏するだけで、お年寄りが注目してくれるからです。「ほう、そんな特技があったのか」と、感心してくれたらしめたもの。遊びに集中してもらえる雰囲気ができてきます。 かつては「歌声喫茶」なるものが若者の溜まり場でした。東京であれば「カチューシャ」「灯」「牧場」「どん底」などといった名前の店が、新宿・渋谷・池袋などに並んでいて、そこでは、アコーディオンやピアノなどの伴奏でロシア民謡や労働歌を合唱することができました。 当時のアコーディオンは大変高価なものでしたが、今は量販店やネットオークションなどで手軽に買うことができる時代です。実際、それを使って病院の遊びリテーションで披露したところ、お年寄りが大喜びしてくれたこともありました。レコードやCDでのBGMだけでは、とてもこんなふうには盛り上がらなかったでしょう。 この機会に、ぜひ楽器にチャレンジしてみてください。アコーディオンに限りません。ハーモニカ、ピアノ、ギター、三味線、タンバリン、カスタネット、太鼓など、何でもいいのです。口笛もまた乙なものです。尻込みしてしまう人は、ペットボトル、ゴミ箱の底、皿、手拍子、足拍子などを楽器がわりに、音で遊びに色を添えてみてください。おすすめです。
土居 新幸(柔道整復師、言語聴覚士、介護支援専門員、社会福祉士)