高齢者が盛り上がる「歌のレクリエーション」を10倍楽しくする【遊びリテーション】チョイ技5選
「遊びリテーション」とは、遊びでありながらリハビリテーション的な効果が期待できる高齢者向けのアクティビティのことです。およそ30年前に介護現場で誕生し、各地で行われてきました。 【画像】「しすぎたらバカになるぞ…」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性が絶句 リハビリには医師の処方が必要ですが、遊びであれば参加する人が好きなようにできます。この記事では、120以上のレパートリーのなかから特におすすめの活動を、理学療法士と言語聴覚士が協力して出版した『完全図解 遊びリテーション大全集』からお届けします。 今回は、体に不自由があるお年寄りでも楽しめる「歌」を楽しむ、様々な方法を見てみましょう。 前編記事〈うつ病で自殺未遂した高齢女性が劇的に回復。「遊びリテーション」のすごい効果〉はこちらから
若い頃の記憶を呼び起こし脳を活性化させる「歌」
高齢者にとって歌を聞いたり歌ったりすることは、若い頃の記憶や情景を呼び起こすことにつながるので、癒しだけでなく脳の活性化が期待できます。加えて、声を出せば胸郭が開き、心肺機能も強化されるので、リハビリにもなるでしょう。 歌うときは、歌詞を貼り出したり、手元で見られる歌詞カードを用意したりしましょう。A4くらいの大きさの用紙に1曲ずつ大きな文字で書いておけば、視力が落ちている人も容易に目で追うことができます。うまく文字を追えない人にはスタッフがそばについて、1拍前に歌詞を小声で読むなどサポートします。 また全員で合唱するだけでなく、独唱したり手話を取り入れたりと、歌い方を工夫できるのが歌の面白いところ。いろいろ試してみましょう。声を合わせる、人に聞いてもらう、などでお互いのコミュニケーションが深まります。
替え歌や独唱、合唱など、さまざまな歌い方で面白さが倍に
歌はアレンジ次第で面白さが倍増しますが、工夫できることはいろいろあります。たとえば、よく知っている歌の歌詞を「替え歌で歌う」と、ふつうに歌うのとはひと味違う趣になります。また、歌詞の1・2・3番ごとに、「独唱」に挑戦してもらうと、喜んで歌うお年寄りは少なくありません。 同じ言葉がくり返される歌や、ゆるやかなメロディの曲では、手話を交えて歌うのも一興です。そして、男性の参加者が多い日は、男声合唱団を編成してみましょう。女性の参加者が喜ぶこと請け合いです。 歌は、お年寄りが青春時代に聞いていた歌を選びましょう。それがもっとも強く記憶に残ると言われているからです。レクリーダーは、地域でお馴染みの歌や世代別の流行歌など、お年寄りが青春時代に口ずさんだ歌をたくさん知っておきましょう。 もっとも、お年寄りはテレビなどを情報源として最近の流行歌なども案外知っていたりするので、「なつかしさ」だけにこだわらず、参加者の好みや反応に合わせて臨機応変に対応してください。