【おしどり夫婦の晩年】大山のぶ代さん死去 夫・砂川啓介さんが本誌に語っていた介護秘話「最初は認知症を認めたくなかった」
声優の大山のぶ代さんが9月29日に亡くなっていたことが、10月11日にわかった。所属事務所が公表したもので、死因は老衰、90歳だった。 【写真あり】大山さんの介護生活について明かす、夫の砂川啓介さん 大山さんは1956年にNHKドラマ『この瞳』で女優としてデビュー。以来多数のドラマやお笑い番組に出演していた。1979年にテレビアニメ『ドラえもん』の声を担当。以来2005年3月に降板するまで、26年にわたり演じ続け、大山さんの代表作になっていた。 「ところが、2008年に脳梗塞を発症して入院。以降はゲームソフトで声優を務めるなどしていましたが、2012年にアルツハイマー型認知症を発症していたのです。 一方私生活では、大山さんは、初代『たいそうのおにいさん』だった故・砂川啓介さんと1964年に結婚。夫婦に子供はいませんでしたが、芸能界きってのおしどり夫婦として有名でした」(芸能記者) 砂川さんは、2015年にのぶ代さんが認知症を患っている事実を明かし、同年10月には「娘になった妻、のぶ代へ 大山のぶ代『認知症』介護日記」(双葉社)を上梓していた。 本誌は2015年12月に砂川さんを取材、砂川さんの大山さんに対しての思いを、こう語っていた。 「妻は、食事の後すぐ眠る。今しゃべったこともすぐ忘れるけど、体はいたって健康。最初は認知症を認めたくなく、友人にも内緒にしていた。そのストレスに僕自身が潰れそうになっていたんです」 こう、介護の苦労を切実に明かしていた砂川さん。しかし、2015年に妻の病を公表したことで、気持ちに変化があったという。 「公表後、ずいぶん楽になり、彼女への接し方が優しくなった。彼女も落ち着いてきたし、もっと早く公表すればよかった。子供に戻った妻の介護を生活の一部として受け入れられるようになりました」 その砂川さんも、2017年に尿管がんで亡くなった。以降大山さんは老人ホームで生活していたという。おしどり夫婦は、ともに天国で昔話でもしているだろうかーー。