「富士ヒル」まで残り約4ヵ月…野島裕史が“悲願の90分切り”を目指し、教わった秘策のトレーニングとは?
◆野島、悲願の90分切りの秘策は?
野島:大会まで残り約4ヵ月。毎年言っていますが、今年こそ“富士ヒル90分切り”をしたいと思っています。リスナーの皆さんからしたら、もはや飽きているんじゃないかとも思いますが、本当に今年こそ90分を切りたい! 山本さんにも毎年アドバイスをお願いしているのに「全然90分を切らないじゃないか」と、若干イライラされているかもしれませんが、何かまだ策はありますでしょうか? 山本:これまで野島さんは筋トレをしたり、スイムをしたり、継続的にトレーニングをされていますが、そのなかで大事なのは90分間(自転車を)漕ぎ続けて全力を出す、そうした走り方をすることだと思うんです。 90分間はとにかく長いですから、それに向けたトレーニングが必要なんですけど、先ほどのZwiftなどオンライントレーニングが一番消耗する練習で、なおかつ周囲を気にすることなく走ることができると思います。 それに加え、野島さんぐらい運動をされている方でしたら、VO2 Max(最大酸素摂取量)を上げるようなインターバルのトレーニングを取り入れたほうがいいんじゃないかなと。 野島:具体的に言いますと、どのようなトレーニングをすればいいのでしょうか? 山本:全力疾走のペダリングを90秒やったら30秒休む、それを繰り返すトレーニングです。5回繰り返したら数分間クールダウンし、さらに5回やる。それを2セット程度。ちょっときついトレーニングなので毎日はできないんですけど、10日に1度とか。慣れてきたら週に1度くらいやって体に刺激を与える。 これはすごくコンディションが上がる練習です。ベースがしっかりついてきたらそういうトレーニングをして、コンディションを上げていくのがセオリーですね。 野島:去年、プロロードレーサーの狩野智也さんにお願いして、トレーニングのなかで3分間ひたすら本気で坂を登り、下るというのを何セットかやると教わったんですけど、それもやはり効果的なんですね。 山本:すごくいいトレーニングですね。 野島:でも、その3分間がえらく長く感じるんですよ。30分、40分、はたまた1時間くらいに。 山本:永遠の長さですよね、「精神と時の部屋」(漫画『ドラゴンボール』に登場する修行部屋)みたいな(笑)。 野島:でも、まさに「精神と時の部屋」のようにパフォーマンスがアップするトレーニングなんですよね。2人に言われてしまったら、これはもう絶対に取り入れていきたいと思います。ありがとうございます! 山本:ただ、このトレーニングで気をつけたいのは、やはり体ができてから。いきなりやってはダメです。しっかりベースを作ったうえで仕上げにやるトレーニングなので。 野島:体を壊したら元も子もないですからね。ほどほどを考えつつも、自分の限界を目指して、そのトレーニングをやっていきたいと思います。 さて、最後に「富士ヒル」に参加したことがない方々のために、改めて山本さんが思う「富士ヒル」の魅力を教えていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 山本:やっぱり、国内外で人気のある“富士山”というコンテンツがあってのヒルクライムレースだと思っています。富士山を自転車で登れる、しかも思い切り周囲を気にせず走れるということが最大の魅力かなと思います。 野島:そうですね。あとは先ほどもお話しましたが、完走率の高さ。初心者の方でも休み休みゆっくり、無理せず走れますしね。僕の場合は記録を目指していますが、それこそファンライドというか、楽しみながら景色や鳥の声だったり、自然を楽しみながらゆっくり走るのもありですよね。 山本:そうですね。幅広い層に門が開かれている大会なので、各々の楽しみ方で走っていただいてもいいと思います。 野島:一緒に走る伊藤健太郎くんは、記録よりも撮影。(自転車に)カメラを取り付けて動画を撮影しながら気持ちよく登っていくことを目標にしていますからね。それぞれいろいろな楽しみ方があるんだなと僕自身も思いますし、僕もある程度の記録を達成できたら、そっちに転向しようかなと。 山本:それはまだ早いです(笑)。 野島:ぜひまた(「富士ヒル」の)会場でお会いしましょう。いい結果をお伝えできるよう頑張りたいと思います! 山本:楽しみにしています。 (TOKYO FM「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」2024年2月11日(日・祝)放送より)