「うちの子、“ごめんなさい”が言えなくて…」元小学校教諭が語る「反省できる子」に育てるために親ができること
なるべく大人は口を挟まない!
【はるか】 ただし注意してほしいのが、なるべく最後まで口を挟まずに聞くこと。大人はどうしても途中で口出ししたくなっちゃうと思うんです。「いやいや、何があっても暴力はダメでしょう」とか。 でも、そうやって途中で正論で跳ね返されるってわかってしまったら、子どもはもう何も話してくれなくなります。だから、まずは聞くに徹する。相手の目を見てじっくり話を聞いてあげたいですね。 【ひとし】 ちょっと気になったのは、これってアドラー心理学とは真逆のアプローチじゃない? アドラー心理学では、問題行動について、原因より目的を考えようって言ってたよね。だけど、今回の「子どもの話を聞く」っていうのは、原因を突き止めようとしている感じに思えるんだけど……。 【はるか】 ああ、まさにそう。アドラー心理学の目的論の考え方は、何かの解決策を導き出したいときにはすごく良い考え方なんだけど、今回のお悩みは「どうしたら感謝や反省ができるようになるのか」だったじゃない? だから、問題を解決するというよりは、子どもの心に向き合うアプローチがいいのかなと思ったんです。 【ひとし】 そっか、俺はちょっと親御さんのお悩みが抜けちゃってたな。 【はるか】 いや、すごく良い指摘! ありがとう。僕はよくアドラー心理学の話をしているけど、それだけで子育てすべてに立ち向かえるとは思っていなくて。むしろアドラー心理学と異なる考え方も知った上で、バランス良く、目の前の子どもに合わせた対応をするのが大事だと思います。
はるか先生のワンポイント
反省するには、まず自分の気持ちを吐き出すことが大事。 じっくり話を聞いてあげよう。
〈著者プロフィール〉
福田 遼(はるか) 1995年福岡県生まれ。九州大学教育学部卒業後、5年間の小学校教諭を経て退職。その後8カ月にわたり世界各地の教育施設を訪問。2023年4月に旧友・秋山とともに始めた『子育てのラジオ「Teacher Teacher」』ではMCを務める。24年に株式会社Teacher Teacherを組織し、無料オンラインフリースクール「コンコン」をスタート。 秋山 仁志(ひとし) 1996年福岡県生まれ。九州大学大学院システム情報科学府修了後、企業のブランディング・広告制作を行う会社に入社。その後、株式会社FUBIの音声プロデューサーとして、企業のブランドポッドキャストを企画・制作。『子育てのラジオ「Teacher Teacher」』をプロデュース・MC・編集を担う。福田とともに株式会社Teacher Teacherを組織。フリースクール「コンコン」の運営に携わる。
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