【浜名千広】ソフトバンク「きちんとやる」がチームに浸透「守り」意識高まった強さが勝敗のカギ
ソフトバンクにとって4年ぶりの日本シリーズはセ3位から勝ち上がってきたDeNAとの対決となった。ともに打線が売りのチーム。豪快な打撃戦も予想されるが、ボクは「守り」の意識がさらに高まったホークスの強さが勝敗の大きなカギを握るのではないかと思っている。 日本ハムとのCSファイナルは無傷の4連勝（アドバンテージ1勝含む）。3戦6発と打線の活性があったが、初戦の二塁川瀬の好守が象徴していたように、短期決戦でも球際の強さを見せつけた。逆転連勝で波に乗って福岡に乗り込んだ新庄ハムの「勢い」も堅守から流れを渡さなかった。偶然に飛び出したビッグプレーではない。「きちんとやる」「しっかりやる」という意識がチームに浸透している証拠。さらにその意識は向上しているように感じるからだ。ファイナル後に4番山川にも話を聞いたが、彼も打撃よりもむしろホークスの「守り」の強さを強調していた。 シリーズは敵地・横浜スタジアムからスタートする。初戦は最も重要だが、DHを置けないホークスにとってはこの1、2戦がシリーズの戦いを左右すると言ってもいい。右足首の負傷もあって近藤は代打起用。近藤がスタメンから外れても中軸の攻撃力はあるだけに「1番打者」の活躍がキーポイントになるような気がする。新外国人のダウンズ、周東も左膝の違和感も回復したようだし、打線をけん引するリードオフマンの活躍に期待したいところだ。 強力なブルペン陣も2試合、移動日、3試合、移動日、2試合（計7試合）のシリーズ日程なら、惜しみなくつぎ込むことができる。ホークスにとっては何より心強い。堅守をベースに先行逃げ切りの必勝態勢を作れば、シリーズ制圧も難しい話ではない。（日刊スポーツ評論家）
