「政治家は悪いやつしかいない」12歳の少年の質問から始まった、立憲・野田代表の“秘蔵っ子”の選挙戦【衆院選2024】
10月27日に行われた衆院選・千葉4区(船橋市・市川市)。 千葉県船橋市は長年、立憲民主党・野田佳彦代表の牙城だったが、今回の区割り変更で船橋市は4区と新設の14区に分かれることになった。 【写真を見る】「政治家は悪いやつしかいない」12歳の少年の質問から始まった、立憲・野田代表の“秘蔵っ子”の選挙戦【衆院選2024】 野田氏は新設の14区からの立候補を決め、野田氏の地盤そのものである4区を任されたのが立憲民主党の新人・水沼秀幸氏だ。 自他共に認める野田氏の“一番弟子”として初めて選挙に出た水沼氏は、自民党の元職らに勝利、初当選を果たした。その背景には、野田氏との強い師弟愛があった。 ■「政治家は悪いやつしかいない」“生意気な小学生”水沼氏が野田氏の“一番弟子”になるまで およそ20年前、船橋市の小学6年生だった1人の少年が、国会見学に訪れた。「政治家は悪いやつしかいない」。そう思っていた少年は、国会議員に意地悪な質問をして困らせてやろうと、次々と質問をした。その少年の対応をしたのが、まだ中堅議員だった野田佳彦氏だった。 野田氏は、その時をこう振り返る。 野田代表(立憲民主党の機関紙より) 「面と向かって『政治家は悪い奴ばかりだ』と言う人は中々いないですからね。でもそのおかげでスイッチが入り、この小学生を何としても抑えないといけないと、質問に対して丁寧に分かりやすく、そして面白く説明することができました」 野田氏は「生意気な小僧だ」と思いつつ、少年の目を真っすぐに見て、丁寧に自らの考えを述べたという。この野田氏の誠実な言葉と姿勢に、「政治家は悪いやつしかいない」と思っていた少年は「いつか自分もこんな政治家になりたい」と思うようになっていった。 この少年が水沼氏だ。 それ以来、野田氏の背中を追い始めた水沼氏は、野田氏と同じ早稲田大学に入学。大学4年間は、野田氏の事務所でインターンを続け、社会人になっても有休を取り野田氏の政治活動を手伝い続けた。 転機は2023年5月。野田氏が衆議院小選挙区の区割り変更で新設された千葉14区(千葉県船橋市東部と習志野市)から立候補し、これまで戦ってきた千葉4区の地盤を水沼氏に譲ることを決めたのである。野田氏はその時の決断をこう振り返る。