「フェースを開いて、アウトサイドイン」が究極のスウィング!? ベン・ホーガンの研究家が提案する「下回りスウィング」とは?
「下回りスウィングを見つけたんです」(田所)
田所 はい。そして、下回りスウィングを見つけたんです。スウィングは十人十色という見方ではなく、樹形図になったときに最初の枝分かれを「上回りスウィング」と「下回りスウィング」にしましょうと。そして、ゴルフ界に「下回り」をご提案したい。もちろん、ホーガンは下回りです。欧米の選手も基本、下回り。でも、タイガーやニクラスは上回りで、ほとんどの日本人選手は上回りです。 倉本 現役時代、言われたことと逆のことをしたらすごくよい球が出て成績も出たことがある。継続できなかったのは、多くの情報と擦り込みが邪魔して、一般的な理論のほうを忠実にやろうとしたから。結果的にたいしたプロゴルファーにならなかった。今、下回りを自分で試して、究明したいと考えています。 田所 今のクラブは慣性モーメントが大きくてストレートに動くようになっていますから、真っすぐに当たる。問題はそれを本人が「主観的」に操作しているのか、あるいは本人はまったく別のことをしているのに慣性モーメントが働いて勝手にクラブがそう動くのか。今の時代、すぐに動画などを見られるので、体やクラブの動きをトレースして練習してしまう。でも、まず言いたいことは、僕の「下回り」は、あくまで主観の話です。 倉本 すごく腑に落ちました。やってみると極端だけど見た目はそうではない。それでいいと。では、上回りと下回りはどう違いますか。
「下回り」はアウトサイドイン
田所 いくつかの要素がありますが、1つはクラブの回転方向。下回りは、フェースを必ず開いて使う。上回りは、クラブを閉じながらボールをつかまえる方向に使う。 倉本 フェースを開いて使うと、右に飛んでいきそう。カットショット、ロブショットの感じです。 田所 よくわかります。ここで2つ目の要素。上回りはクラブをインサイドイン、インサイドアウトに使えと言いますが、下回りは必ずアウトサイドインです。これでフェースを開いても球がつかまるようになる。 倉本 やってみると、確かにボールがつかまります。しかし、今までの僕にはまったくない動きです。 田所 また、ゴルフクラブを主観的にどう見るか。上回りは、パターの延長で体の前のベルトの下で操作することをフルスウィングととらえ、振り子運動を使っている。下回りは、体に対して、上下、前後、左右、この3事象で考えます。するとトップではクラブは背中側にいて、ダウンでは高い位置から下に、そして前にくる。さらにダウンでは右側にあるものがフォローでは左側にいき、また背中側に消えていく。これが3次元で融合されています。