「健康で長生きする」ためには、何歳になっても社会との接点を持ち続けることが大事|WAmazing代表取締役 加藤史子さん|STORY
――大きな会社のバックアップだったり、関係性の出来上がったスタッフと新規事業を立ち上げる方が楽なのではないかと思ってしまいますが……。 きっと落ちるだろうとは思いつつも、WAmagingでやりたいと思っていたことを、リクルートの新規事業コンテストに出してみたんです。リクルートの新規事業コンテストって、すごくレベルが高い! 多分、コンテストの上位に入るような人たちは、やりきれば結果を必ず出せる人たちなんですよね。私の出した案件は残念ながら落ちてしまいました。ただ、落ちるということは、今、この事業にリクルートとしては出資できないし、インバウンドには注力しないという判断だったと思うんです。タイミングなんですよね。ただ、リクルートからそういう判断が下されても、私はこの事業を外に飛び出してでもやってみたかったんです。 ――加藤さんの頭の中にあった、WAmagingのコンセプトとは? 構想時からインバウンドをターゲットにしたものでした。インバウンドの五大消費というのが、買い物費、宿泊費、飲食費、交通費、そしてアクティビティサービスその他というのがあるんです。市場としては、その他が2000億円ぐらいで、買い物が一番大きい1.7兆円ぐらい、宿泊が1.4兆円で飲食が1兆円、交通費が5000億円。それらをワンストップで、なおかつオンラインで手配できる日本に特化したインバウンド向けのインターネットの旅行会社を作ろうと考えたんです。まず重要になってくるのがマーケティング。ユーザーをどうやって集めるかということですよね。あるデータによると97%の訪日外国人は飛行機で空港から日本に入国する。それならば、パチンコ屋さんが駅前でティッシュを配布するように、空港で彼らが欲しいものを無料で配ろうと考えたんです。そこで、観光庁から公開されているデータを見ると、彼らが日本に来て必要だと考えるもの、それは通信のためのSIMカードでした。そこで、SIMカードを空港で無料配布することに。その無料SIMカードを手に入れるためには、WAmagingのアプリをインストールし、個人情報登録しなければいけないというモデルにして、ユーザーを集めながら、同時に買い物や宿泊予約の事業を作っていくという構想を立てたんです。現在は、当初の構想の通り、事業を進めています。