体力温存で8強決めた錦織のフェデラー撃破可能性をツアー公式サイトが指摘
また錦織は、すべてのグランドスラム大会で準々決勝進出を果たしたことがあるが、その通算成績は3勝8敗でベスト4に進出したことがあるのは、5年前の全米オープンの一度だけでトップ選手に歯が立っていないというデータも記載した。準々決勝での8敗のうち6敗は、ジョコビッチ、ナダル、アンディ・マレーとの対戦だったという。 フェデラーとの過去の対戦成績もクローズアップされており、錦織は、2018年のATPファイナルズで対戦して勝利しているが、ATPツアーの通算成績では3勝7敗で負け越している。グランドスラム大会での対戦は、2017年の全豪オープンの4回戦の1度のみで、錦織が5セットを戦い競り負けた。公式サイトは、錦織のフルセットマッチでの勝率が75%(132勝45敗)で歴代最高勝率であることを紹介して、「錦織の歴代最高のフルセットマッチの記録に珍しい1試合を加えることになった」と記している。 一方で、錦織のフェデラー戦勝利に悲観的な見方のメディアもある。 英国のデイリー・メール紙は、「錦織にとってフェデラーは大きな壁で、初のグランドスラム優勝を果たすための道筋を描くには難しい」という展望記事を掲載。錦織の「ロジャーは芝で最高の選手だから、彼を倒すために良いテニスをしなければならない」というコメントを見出しに取った。 「29歳の日本選手(の錦織)が、日曜日にトロフィーに名前を刻むための対抗馬がノバク・ジョコビッチ、ラファエル・ナダル、ロジャー・フェデラーだ。優勝のためには、フェデラーを倒し、次にナダル、ジョコビッチと、この大会のトップ3シード選手に勝たなければならない」と、準々決勝以降にビッグ3と激突するという厳しい対戦カードが待っていることを伝えた。 ただ同紙も、「彼はウィンブルドンで良いプレーを見せて、長時間の試合に巻き込まれるのを避けている。ククシュキンに対し、(今大会で)初めて1セットを落とした」と、全豪オープン、全仏オープンの準々決勝までの試合時間と、今大会の試合時間を比較して、錦織の省エネな戦いぶりを紹介。その温存した体力面が唯一のプラス材料だと指摘している。 ちなみに英国の有名なブックメーカー「ウイリアムヒル」によると、準々決勝のオッズはフェデラー勝利が1.11倍に対して、錦織の勝利は6.5倍と圧倒的に不利となっている。 だが、錦織は、8日の試合後会見で「最高の相手との対戦が楽しみ。勝てると思っている」と断言した。注目の錦織対フェデラーの準々決勝は10日に行われる。