小池知事「都外への不要不急の外出控えて」 GoToは「よく考えて」政府に注文
東京都は15日午後、新型コロナウイルス感染者の急増を受け、感染状況についての警戒レベルを4段階で最も高い「感染が拡大していると思われる」に引き上げた。臨時の記者会見を開いた小池百合子知事は「『感染拡大警報』を発すべき状況だ」と強い危機感を訴え、不要不急の都外への外出を控えることなどへの協力を都民に呼びかけた。 【動画】東京都がコロナ警戒レベルを最高に引き上げ 小池知事が会見
1日あたりの検査処理能力1万件を目指す
会見の中で、都としては以下の3つを軸に対策を講じるとの方向性を示した。 (1)積極的な検査拡大で感染拡大の抑制 (2)地域の実情を踏まえた重点的・ピンポイントの対策 (3)年齢層・業態に応じたきめ細かい対応 具体的には、検査体制の拡充のため、新たな検査機器の導入支援や大学などの研究機関を活用することで、1日あたり1万件の検査処理能力を目指す(現状は1日あたり6500件まで増加)。 感染防止対策で区市町村とも連携する。新宿区や豊島区では接待を伴う飲食店の従業員に対する検査を進めているが「こうした感染リスクの高いエリアや業態に対して積極的に検査を実施することで、早期に感染した人たちを特定することが可能となる。都としても区の取り組みを後押ししていく」と述べた。 また無症状者や軽症者が増えていることを踏まえ、新たな宿泊療養施設を2つ開設するとした。
会食の際「飛沫が飛ぶような大声は避けて」
都民に対しては、接待を伴う飲食店の利用の際は、ガイドラインに沿って十分な感染防止対策がなされていない店の利用は避けるように呼びかけた。また、会食での感染もみられるとして、消毒や換気、マスクを着用していないような飲食店の利用を避けるよう求めた。具体的には「感染防止徹底宣言ステッカー」を掲示しているお店を利用することを勧め、飲み会の際は「飛沫が飛ぶような大声での会話は避けて」とした。 さらに、「無症状の人でも他の人に感染させる恐れがある」と訴え、不要不急の都外の外出は「できるだけお控えいただきたい」と呼びかけた。 また高齢者や基礎疾患のある人は感染リスクが高まるため、外出の際に注意するよう求めた。 こうした都民へのお願いは、新型コロナウイルスに対応する特別措置法の第24条9項に基づくとした。いわゆる政府の「緊急事態宣言」は現在発出されていないが、この条文をもとに都民に協力を呼びかける。
GoToキャンペーン「フルスペックにならない」
政府は22日から観光支援策として「GoToキャンペーン」をスタートさせる予定だが、小池知事は「現在の感染状況を踏まえると、実施時期や方法はあらためてよく考えいただきたい」と注文をつけた。地方で感染が広がってしまった場合、医療提供体制が「都と同様のレベルではない地域もある」と指摘。都として不要不急の都外への外出を控えるよう求めていることから、キャンペーンとして「フルスペックにならないのではないか」とも述べた。