ルノー小型EV開発、日産との提携に依存? 次期「トゥインゴ」で右H導入コストに懸念
低収益の小型EV コスト分散を望む
ルノー・グループのCEOであるルカ・デ・メオ氏は、次期ルノー・トゥインゴの右ハンドル仕様の導入を「望んでいる」が、そのためのビジネスケース(事業計画)を作ることは「難しい」と認めている。 【写真】愛らしい初代ルノー・トゥインゴが現代に復活?【次期型コンセプトと初代を写真で比較する】 (14枚) EV専用のAmprスモール・プラットフォームをベースとする次期トゥインゴは、2026年に左ハンドルの地域で発売され、価格は2万ユーロ(約315万円)以下になる予定だ。 初代モデルのデザインを踏襲した安価な小型EVとして期待されているが、右ハンドル仕様の経済的ハードルは高いようだ。他のルノー幹部も以前、AUTOCARの取材に対し、トゥインゴは右ハンドルを想定して設計されたが、「ビジネスケースを見つけなければならない」と語っていた。 決め手となるのは日産との提携かもしれない。両社はトゥインゴをベースにした日産独自の小型車を開発する計画について協議している。これは、次期型の日産マイクラのベースとして、ルノー5 Eテックを使用するのとよく似ている。 「ルノー5の場合、日産はマイクラがあることから右ハンドル仕様を希望していた。右ハンドルのトゥインゴも、日産と共有できる可能性がある。ハンドルを反対側にしたいという要望があれば、複雑さは軽減される」とデ・メオ氏は述べた。
電動化の手は緩めない
デ・メオ氏はまた、2010年代の欧州におけるEVの失われた10年を嘆き、それが今ようやく、5 Eテックのような「エモーショナルなクルマ」によって回復しつつあると述べた。 EVの需要低迷はハイブリッド車でカバーできると考えている。ハイブリッド車への投資により、ルノーはトヨタに次ぐ欧州第2位のメーカーとなった。 「テスラは(2010年代初頭にEVで)スタートした。我々もスタートした。皆がダーツを投げ、そしてやめた。テスラは投げ続けた。その結果がこれだ」 「2035年の欧州では、新車販売台数の100%がEVになることはないかもしれないが、都市部での利用やラストワンマイルの配送用としては、コストと性能の両面で内燃機関モデルよりも理にかなっている。そこはまさに当社の得意分野だ」 「だからこそ、BセグメントのEV専用プラットフォーム(Amprスモール)を開発することが我々にとって非常に重要だった。本領発揮の場だ。この分野で前進し続けなければならない。EVが主流となるためには、性能が良く、見た目も良く、手頃な価格であることが求められる」 「しかし、我々はEVだけを手がけるつもりはない」 デ・メオ氏は、5 Eテック、ルノー4 Eテック、トゥインゴのようなレトロなデザインの車種ばかりでなく、ラファール、シンビオズ、セニックなどもあり、ルノーは一芸に秀でた企業ではないと述べた。 レトロデザインへの否定的な意見に対し、「フォルクスワーゲンのゴルフもレトロなデザインだし、メルセデス・ベンツのSクラスもレトロなデザインだ」と同氏は反論する。「我々はクラシックなデザインや精神の一部を取り入れ、それを21世紀に移行させただけだ」 ゴルフと5の間にある唯一の違いは、後者の生産期間のギャップだという。 「偉大なブランドは、クラシックを大事にする」と同氏は述べ、EVではより親しみやすく、より共感できるスタイリングがさらに重要だとした。 「我々(業界)は皆、他者とは違うということを示すために、奇抜でファンキーなEVをいくつか作ってきた。日産のリーフ、フォルクスワーゲンのID.3など。今では、我々の美意識は確かなものになっている。ルノー5は、EVでもあるルノー5であり、トゥインゴも同様だ。EVへの移行を促進する手助けとなる」