WS開幕。第3戦直訴のド軍ダルビッシュは「深く考えていない」と脱緊張
「いつだっけなあ。一昨日の夜ぐらいに監督からメールが来て、その前に話をしてましたけど、正式にはそこで」。ドジャースのダルビッシュ有は、第3戦の先発が決まった経緯をそう明かした。 もっともそれは、直訴によるものだったという。「監督には3戦目で行きたいと言ってたので」。 過去、アストロズの本拠地ミニッツメイド・パークでは、6試合に先発し、4勝1敗、防御率2.16。4試合以上先発した球場で、ここよりも相性がいいのはレイズの本拠地トロピカーナ・フィールドのみ(3勝0敗、防御率1.93)。2013年の初先発ではアストロズ打線を9回2死までパーフェクトに抑えたが、それもミニッツメイド・パークだった。 「得意か不得意かと言えば、まあ、いい結果は残ってます」 ただ、ワールドシリーズという舞台に関しては、「客観的に見たら凄いなぁと思ってますけど、自分がここにいるってなると、特にそういうのはないです」と話すなど、3戦目にこだわったこと以外、驚くほど、思い入れが低い。 例えば、2006年に出場して優勝した日本シリーズに関しては、「小さい頃から、日本のプロ野球が夢でやってきましたし、日本で日本一になるというのが、一番の目標だった」と振り返るも、将来、ワールドシリーズで投げてみたい、あるいは、自分がワールドシリーズで投げているような姿をイメージすることは「なかった」そうだ。 「ここって言うのは、考えてなかったです」 よって、ワールドシリーズに勝って、球史に名を刻みたい、といった欲求も乏しい。 「そもそも深く考えていない、ワールドシリーズに対して。歴史に名が残ろうが、残すまいが、僕が死んでしまったら、何も僕に関係ない話なので、そこはあまり考えてないです」。 どうだろう。今回のワールドシリーズに出場する選手の中で、ここまで平常心でいられる選手もいないのではないか。第1戦で先発するアストロズのダラス・カイケルが、初戦の気温が35度を超えると予想されていることについて聞かれると、「ワールドシリーズなんだぜ。いつもよりは暑いかもしれないけど、ここ以外にいたいと思う場所なんてない」と話したのとは、対照的だった。