トランプの「人事情報」で見えた…!イーロン・マスクが密かにあてがう「超優秀な新ブレーン」、そのヤバすぎる正体
AIでトランプの「ツイートが変わる」…!
イーロン・マスク氏は生成AIブームが始まった直後から、5兆円もの投資を行い独自のAI開発を進めていました。SNSのXを買収したのも、膨大なビッグデータを手に入れることがそもそもの目的です。 最初にトランプ氏が目にするのは、SNSにポストするトランプ氏のツイートを得点化してくれるAIかもしれません。 Xが大好きなトランプ氏は、これまで「こんなことを思いついた。ツイートしよう」と自分でスマホを操作してすぐにXに自分のコメントをポストしていました。それを、事前にAIにポストしてみるのです。 すると、「おもしろい。すぐにポストしたほうがいい」なのか、「このポストはまずい。変えたほうがいい」なのか、AIによる評価が数値化されるとともに、アドバイスが提示されます。 将棋で棋士が一手を打つたびにAIが勝利の確率を表示するのと同じです。 それだけでなく、「このポストはリベラルのインテリ議員を怒らせるだろう。だけど大問題にはならないからポストして奴らに燃料を与えたほうがいい」とか、「この件では中西部の労働者は中国に対して怒り心頭だからな。もっとはっきり煽ったほうがいい」といった具合に、Xへのポストについての具体的なアドバイスが随時提示されるようになります。 膨大なXのタイムラインを学習するAIからは、「この件についてもっとタカ派的発言を強めたほうが、支持率が0.7ポイント上がるはずだ」とか、「具体的にこのタイミングでこの順序で発言するといい。そうすれば親中派議員と穏健派議員の間に意見相違が生じて溝が広がるはずだ」といった世論を操作するためのアドバイスも提示されるようになります。
世界のすべてを「AIが学習」してしまう…!
このツールは、トランプ氏から見れば非常に面白いツールに見えるでしょう。試作品とはいえ、マスク氏が持ち込む独自の生成AIにトランプ氏は魅了されるはずです。 実際に経営者の間では、生成AIの活用は進んでいます。大企業の幹部やトップには、生成AIにどっぷりと浸かりながら仕事をこなしている人が増えています。ソフトバンクグループCEOの孫正義さんは、毎日のように生成AIにビジネスアイデアをぶつけていることで知られています。 それと同じで、トランプ新大統領は就任早々の段階から生成AIに慣れてしまい、やがてSNS以外のことについても生成AIに意思決定の相談をするようになるでしょう。本人に自覚があるかどうかは別にして、来年早々「世界初の人工知能をブレーンとする大統領」が誕生することになるのです。 生成AIを使い始めてみると皆、気づくことですが、議論の壁打ち相手として生成AIは非常に優秀です。下手な部下と議論をしたり調べものをさせるぐらいなら、まず生成AIに質問して情報や考えをまとめたほうが、よほど考えることについての生産性は高くなります。 トランプ氏がマスク氏の生成AIを使うようになるとすぐに、生成AIはトランプ政権の側近の間でも流行します。なぜなら、ボスであるトランプ大統領が生成AIでパワーアップするのですから、それに追いつくためには側近たちも同じツールを持たなければ仕事が進まなくなるからです。 こうして生成AIを政権内部に普及させながらマスク氏は、「政府を効率化するためには、最終的に生成AIをアメリカ政府全体に導入していくのが早道だ」と説く一方で、 「そのためには生成AIを、高レベルの政治的な意思決定に使えるように独自学習させる必要がある」とも説くでしょう。 グーグルやマイクロソフトが開発する生成AIが学習するビッグデータについて、著作権や個人情報といった制約があるものは、高度な政府の意思決定のブレーンとしては使いづらいものです。はっきり言えば「知的な腹黒さを持つAI」でないと、政権の真のブレーンにはなりえません。 一般的にこのようなAI開発構想が政府機関の中でコンセンサスを得るのは、難しいでしょう。しかし国家機密として、その存在を知らせずに開発・運用がスタートできるとしたらどうでしょう。トランプ大統領の承認の下、NSA(アメリカ国家安全保障局)やCIA(中央情報局)が、マスク氏が構想する生成AIの直接の開発主体となるとしたら、誰がそれを止めることができるでしょうか? マスク氏が開発するAIの学習用の情報ソースとしては政府に近いさまざまなシンクタンクのレポートや、一般職員では読むことができない機密文書、それらの断片である報告情報など無数の情報を政府のAIは学習ソースとして活用することができます。CIAが非合法な形で収集したインテリジェンス情報も同様です。 こうしてその道のエキスパートが数十年かけて学習するような膨大な情報を、生成AIは極めて短期に学習します。具体的には1年半の期間があれば十分です。2026年の中間選挙前には、アメリカ政府の政策AIは実用化レベルに到達しているでしょう。