福島発音楽フェスで旬の農作物を販売する「マルシェ」を出展!生産者は葉たばこ農家
近年の喫煙率の低下や健康志向の高まりを受け、2024年春に東海道・山陽・九州新幹線の一部車両に設置されている「喫煙ルーム」の廃止が発表された。そうした中で、全国の葉たばこ農家が米やサツマイモなど旬の農作物を販売するマルシェが行われているという。向かったのは、福島県で開催された音楽フェス「LIVE AZUMA(ライブアズマ)2023」だ。 【写真】つやつやのコシヒカリや葉たばこをかたどった「たばこ煎餅」も ◆ ◆ ◆ 10月14日、15日の2日間にわたり、合計31組のアーティストが出演して福島市のあづま総合運動公園で開催された「LIVE AZUMA 2023」。同時開催された入場無料のマーケットイベント「PARK LIFE(パークライフ)2023」では、グルメやアート、マルシェなどのブースが出展し、有料ライブと共に多くの来場者が詰めかけた。 会場で目を引いたのが、葉たばこ農家が生産した旬の農作物の販売に加え、葉たばこの現物を展示する体感ブースが一体となった「JT with Farmers(ジェイティウィズファーマーズ)」。そもそも「JT with Farmers」とは、日本のたばこ産業の持続可能性を探り、未来につなげることを目的としてJT(日本たばこ産業)と葉たばこ農家が一丸となって取り組む活動の総称。葉たばこの生産過程で環境に与える影響を最小限にすることや、地域経済への貢献、農業課題の解決・改善などさまざまなテーマがある。
今回、新たに始動させたアクションがこの「Farmers マルシェ」だ。2日目の15日は前日の快晴から一転、朝からあいにくの雨模様だったが来場者は引きも切らない。冷やし焼きいも・サツマイモ・米を販売するエリアでは、茨城県坂東市で葉たばこ農家を始めて5年目になる針谷文之さんが笑顔で接客していた。「実家が葉たばこ農家だったので、農業をやるということは自分の中で以前から決めていました」と針谷さん。 「私の場合は毎年葉たばこ、サツマイモ、米を作っています。葉たばこと米は親の代から、サツマイモは私の代から始めました。サツマイモは葉たばこ栽培の機械が使えるうえに、葉たばこと交互に生産すると病気になりにくいなど、相性がいい農作物なんですよ。とはいえ、最初はサツマイモ栽培にも苦労しましたね。いろんな品種を作って失敗を重ね、ようやく去年あたりから安定して生産できるようになりました」 隣には乾燥した葉たばこの現物を飾る「葉たばこ体感ブース」があり、葉たばこができるまでの工程や、福島県の葉たばこ産地を紹介するパネルが展示されていた。日本で栽培されている葉たばこにはバーレー種・黄色種・在来種があり、現在では非常に珍しい在来種の葉っぱにも触れるようになっている。「葉たばこが農作物ということを初めて知った」「乾燥している葉っぱを見たのは初めて」と驚く来場者も多い。