日本のテイストの店が増えているニューヨーク 日米のサウナで“駐夫”が感じた現地で求められていることとは
涼しい秋は無理せずに楽しめる、サウナのベストシーズン。日本ではサウナブームに伴い、次々と新しい施設が登場しています。妻の海外赴任に伴い、アメリカ・ニューヨークで駐在夫、いわゆる「駐夫(ちゅうおっと)」になった編集者のユキさん。この連載では「駐夫」としての現地での生活や、海外から見た日本の姿を紹介します。第18回は、日米のサウナの違いについてです。 【写真】ニューヨークで目撃した日本では考えられない光景 実際の様子 ◇ ◇ ◇
エンターテイメント性が高いサウナだが…
日本ではしばらくサウナブームが続いていますね。自分もサウナが好きで、自宅近くの銭湯だったり、専門施設だったり、週に3回はサウナに通っていました。 「ととのう」という感覚が本当を味わえているかどうかは、さておき、仕事のストレスなどを解消するようなリラックスできる時間です。 妻の駐在に帯同することを決めたときも、ニューヨークに良いサウナがあるかどうかというのが、かなり高い関心事でした。 こちらに住み始めてからというもの、自宅のあるマンハッタンのみならず、ブルックリンや隣の州のニュージャージーまで、ベストのサウナを求めて探し回りました。そのなかでいくつかの施設にまあ良いかなと感じて、ときどき通っています。 ひとつは、1892年創業の「Russian & Turkish Baths」というロシア・トルコ系のサウナで、 浴室内でマッサージのサービスを受けることもできます。 もう一つは、高感度が高いニューヨーカーが訪れる「BATHHOUS」。おしゃれな空間で、日本でもお馴染みのロウリュウといわれるサービスもあります。ロウリュウとは、熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を上げ、その熱で体を温めるというもの。アロマ水などをかけ、香りを楽しむこともできます。 その蒸気をタオルなどであおぎ、熱波を回す人を熱波師と呼び、「BATHHOUS」にも熱波師がいます。ここの熱波師が、アップテンポな曲をスマートフォンから流し、ダンスをしながら風を送るのです。見ている分には楽しいのですが、正直、踊らずに風を送ったほうが、よく熱波が届くのではという気もします。 このサウナであるとき突然、音楽が止まってしまい、熱波師の方がスマートフォンで音を調整するため、仰ぐのを止めてしまったことがありました。するとその間に、お客さんが音楽の代わりに歌い出したり、「俺がやるよ」と熱波師の代わりに舞台に立ち、タオルで仰ぎ始めたりしました。 一体感もあり、エンターテイメントとしては、おもしろかったです。