AIエンジニア・安野貴博氏×経済学者・成田悠輔氏 “現役世代重視”の国民民主党・伊藤議員に聞く “103万円の壁”“尊厳死”…
“マイノリティー・グループを支える”大票田を狙わない選挙戦
成田氏: 「『ちゃんと稼いで税金を払っている人たちがメリット受けるような政策をやろう』とか、『20代や30代の現役世代が特に苦しんでいるので、その人たちを助けるような政策をやろう』というのは、ある意味ですごくニッチな、マイノリティーなグループのご機嫌を取るような政策ばかりじゃないですか」 伊藤議員 「そうなんです。そうなんですよ」 成田氏 「これで国民民主党は“マジョリティーを取れるのか”というのが、非常に不安になりました」 安野氏: 「ちなみに(ブロードリスニングを見ると)X上でも似たような指摘があります。」 伊藤議員: 「仰るとおり、やはり“大票田”は高齢世帯です。実際に選挙に行く層もそこです。やはり、そこに向かって、『若者をつぶすな』『現役世代をつぶすな』といっても票が入らないので、誰も言ってこなかったんです。けれど、そこにようやく物を言う政党が出てきたということに、少しずつ気づいてもらったので、今回、少しだけ、なにか“風”があるような気がしたりしなかったり…というのがあります」 成田氏: 「今はマイノリティー・グループがちゃんと気づいて風が吹いているのだと思います。ぼくが思うのは、そこから先が厳しくなるのではということ。この先、急に変節して、高齢世代、マジョリティー層を取りにいくのか、それとも『自分たちが響くべき相手はこの人たちだ』としっかり今のターゲットを保ち続けるのか、どちらの戦略なのでしょう」 伊藤議員: 「現役世代を支えないとこの国は全てが成り立ちません。選挙に勝つのであればそういう(現役世代を支える)ことは言うべきではないのですが、この国の未来を考えるんだったら、それは絶対に言わなきゃいけないことです。なので、選挙に弱い、政策が難しい、回りくどいというのも全部わかっています」
“自公過半数割れ” そのとき、連立の可能性は…
安野氏: 「自公が過半数割れした後に、国民民主党はどういう動きをするのかが議論されています。自公と連立するという話はあり得ますか?」 伊藤議員: 「完全に無いです」 「まず、自公は過半数割れをしたら良いと思います。過半数を取っていると傲慢になりますので、過半数割れをして、苦労して予算や法案を通していくという、その工夫や鍛錬はやった方が良いので。そこで国民民主党が一緒にやるかというのは、大変、我々や我々の支持者にも失礼な話で、私たちは国民民主党を国民民主党として大きくします」