AIエンジニア・安野貴博氏×経済学者・成田悠輔氏 “現役世代重視”の国民民主党・伊藤議員に聞く “103万円の壁”“尊厳死”…
“稼ぎたいのに稼げない”パート・アルバイトを苦しめる103万円の壁 どう崩す?
安野氏: 「手取りを増やすという目標を掲げた中で、消費税の減税ではなく(所得税控除)103万円の壁に手をつけるのはなぜなのか」 「低所得者よりも高所得者の方が恩恵を受ける、逆進性が働くのではと思います。地方税がかなり大きく減ってしまうという問題も発生すると思います」 伊藤議員: 「確かに逆進性が働くと思います。ですが、税金を払ってない人たちばかりが恩恵を受けるのではなく、ちゃんと払っている人たちが恩恵を受けるというのは当たり前のことだと思います。(給付金のように)徴収してまた事務費を使って配るのなら、初めから取らない、控除を効かせることは、政策としてあるのではないかと思います。地方税が減るというところでは、“ひも付きではない”交付税を増やすしかないと思います」
国民民主党のオリジナルの政策 教育国債
鈴江奈々アナウンサー: 「(国民民主党は)教育、子育てにおける、あらゆる施策を完全に無償化しますということを打ち出しています。その財源は“教育国債”というところが国民民主党の公約でオリジナルな部分になりますが、この政策について成田さんはどう思いますか?」 経済学者・成田悠輔氏: 「教育国債はどういう意味でオリジナルなのですか?」 伊藤議員: 「例えば、建設国債は橋とか道路を作るわけですが、それは今生きている人たちも、将来の人にも受益があるので、国債発行をして良いと、財政法でなっています。しかし、教育については国債発行を法律でしてはいけないとなっている。教育に使うためのお金を国債発行して良いと財政法を改正すべきだと思っています」 「人に投資をして、その人が我が国のGDPを1%上げるかもしれない技術やサービスを開発するかもしれない。現代の私たちの世代にも受益があるし、将来世代に、もっと受益があるかもしれない。このような考え方だと、教育国債という考え方もあるのではないかというのが国民民主党のオリジナルの政策になります」 成田氏: 「無償化というのはお金のある家庭を助けてしまう場合も多いですよね。今回、考えているような政策は、誰を助けるための政策になっているんですか」 伊藤議員 「基本的に子供の育ちや学びに線引きは必要ないと思っています。我が国は所得制限を細かくつくってきました。その所得制限の金額というのが25年前のものだったり、40年前のものだったりするので、今、中間層と言われている人たちがほぼ消滅している中で、その線引きというのが、本当に合っているのかいうところがすごく疑問です。そういう部分で所得制限を撤廃していく。学ぶこと、育つこと、食べることについては、私は“儲かっているからその人にはあげなくて良い”とは思いません。他のところでしっかりと富裕層に課税していきましょうと」