Jリーグの大きな転換点 秋春制移行、外資参入…米記者が期待する“黒船”による「革命」【インタビュー】
そんななかで注目される動きがオーストリアに本社を置く大手飲料メーカー「レッドブル・ゲーエムベーハー/Red Bull GmbH」による大宮アルディージャの買収。Jリーグの歴史で外資系企業が初めて単独オーナーになる。そんな“黒船到来”をオロウィッツ氏は「非常に興味深い」とし、さらに、期待を次のとおり口にした。 「大宮はレッドブルの下でどこまで成長できるのか。海外オーナーのひと味違う視点によって何ができるのか楽しみですし、革命が起きれば面白いと思っています」 ただ、外資参入に寄せる期待はJリーグに対してだけではない。オロウィッツ氏は、コロナ禍の2021年から始まった日本の女子プロリーグにこそもたらされる効果は大きいと考える。 「レッドブルが女子チームの大宮アルディージャVENTUSに対しても何ができるか気になりますし、楽しみです。今までは日テレ・東京ヴェルディベレーザや三菱重工浦和レッズレディース、INAC神戸レオネッサがリーグを牽引してきたと言えるでしょう。ここにもう1チーム加われば、日本の女子サッカー界やWEリーグへの大きな貢献になるはずです」 31年目のJリーグに訪れた大きな転換点。女子サッカー界を含めて今後どのような変化がもたらされるか目が離せない。 [プロフィール] ダン・オロウィッツ/米ペンシルベニア州フィラデルフィア州出身、スポーツジャーナリスト。2004年に大学生として日本で留学を経験し、卒業後の06年末に再来日。翌年のJリーグ観戦で日本のサッカーに魅了され、11年からサッカーライターの道へ。国内専門メディアを経て、18年から5年半余り英字新聞「ジャパンタイムズ」運動局に勤務。サッカーだけでなく、19年ラグビーワールドカップや22年北京冬季オリンピックなどの取材も行った。現在はフリーランスとして活動している。
FOOTBALL ZONE編集部・山内亮治 / Ryoji Yamauchi