手負いの4番、DeNAオースティン大活躍 けがでも「毎日出たい」と牽引 日本シリーズ
DeNA5-0ソフトバンク(30日、日本シリーズ) DeNAの主砲オースティンが、強烈な存在感を放った。0-0の四回、今シリーズ1号となる先制アーチ。「芯に当てるイメージを強く持っていた」と先発石川に追い込まれてからの5球目、外への直球を右翼テラス席へ。ゆっくりとダイヤモンドを回った。 【別カット】四回、先制アーチを放つオースティン これだけでは終わらない。1-0の七回は、宮崎のソロなどで3点を加えた後の2死満塁から左前適時打。一挙4点をもぎ取り、「いい攻撃をすべての選手がやってくれた」と誇らしげだった。自身は4打数3安打2打点の活躍で快勝を牽引した。 痛みを押してグラウンドに立っている。第1戦で左足甲に自打球を受けた影響で、第2戦を欠場した。2017年にも自打球で痛めた部位で、「その影響もあるのか治りが遅い。正直まだ腫れは引いていない」と顔をしかめる。 ただ、「自分以上にあの舞台に立ちたいと思っている人は正直いない」。試合がなかった28日の移動日を一日治療にあて、第3戦から強行出場。この2年余りは度重なる故障に泣かされてきた助っ人は「野球を愛している。できることなら毎日プレーしたい」と満身創痍(そうい)の体ながら日本シリーズ3戦連続安打と気を吐いている。 ソフトバンクの圧勝ムードが一転、これで星取は五分になった。勝負の行方は本拠地・横浜スタジアムで決することになる。「ファンの前でプレーするのが楽しみ」と話す手負いの4番が、〝下克上〟を目指すチームを押し上げる。(川峯千尋)