大人になっても役に立たないのに勉強する意味はあるのか…「勉強嫌いの子」のやる気を引き出す"親の声かけ"
■「会話が理解できない人」になる危険性 川に上流と下流があるように、言葉も上流と下流があります。上流は一つの川だったのに、下流になっていくにつれて分化してたくさんの川になっていくということはよくあることです。 今我々が使っている言葉は「下流」であり、これらを理解するためには「上流」である古文を勉強をしておいた方が、現代語を理解しやすくなるというわけですね。 ちなみに、「まし」をはじめとする反実仮想の表現は、英語でも存在します。英語では「if」を使って表現する仮定法がこれに該当し、仮定法が理解できない人の多くは古文の勉強をサボっているのです。 古文の勉強が、現代の日本語、そして外国語を学ぶ時にも密接に関わってくるわけですね。 いかがでしょうか? 古文の勉強を頑張ることは、「日本語をより深く理解するため」に必要です。逆に、古文の勉強をやっておかないと、日常会話のレベルで、認識の齟齬が発生してしまうかもしれません。 相手の説明や冗談が理解できず、「理解力のない人」「空気が読めない人」だと思われてしまうかもしれないのです。古文の勉強は、大人になってからのコミュニケーション能力に密接に関わっているというわけですね。 古文だけでなく、全ての科目に、その科目の勉強をして、それができるようになることで、広がる世界があり、さまざまな意義が存在します。「学歴のため」と言わず、ぜひ、勉強の深い意義を伝えられる親御さんになっていただければと思います。 ---------- 西岡 壱誠(にしおか・いっせい) 現役東大生 カルペ・ディエム代表 1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すものの、2年連続で不合格に。二浪中に開発した独自の勉強術を駆使して東大合格を果たす。2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教え、教師に指導法のコンサルティングを行っている。日曜劇場「ドラゴン桜」の監修や漫画「ドラゴン桜2」の編集も担当。著書はシリーズ45万部となる『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大算数』(いずれも東洋経済新報社)ほか多数。 ----------
現役東大生 カルペ・ディエム代表 西岡 壱誠