「日本カクテル」の粋、米焼酎のマティーニが海外客を魅了 アマン東京
連載《hotel TIPS》Vol.28
編集長がホテルのおいしいものや楽しみを探しに行く「hotel TIPS」。今回は数あるスタンダードカクテルの中で、もっとも有名なもののひとつ、マティーニに光を当ててみましょう。 【1分動画・写真はこちら】人気のジャパニーズカクテル「柚子マティーニ」ができるまでを動画と写真で紹介。バーテンダーは何を語る? もともとバラエティー豊かなマティーニではありますが、今、様々なホテルが個性的なオリジナルのレシピを競っていることをご存じですか? そのなかでもユニークさで群を抜くのが、焼酎を使ったジャパニーズマティーニです。海外のお客様が口をそろえて絶賛するという、極め付きの1杯を味わいにアマン東京(東京・千代田)のメインラウンジに向かいました。
■外国人好みの「マティーニ像」に注目
オフィス街のビルを33階まで上がると、そこには開放感あふれる静謐(せいひつ)な空間が広がっていました。世界に展開するホスピタリティブランド「アマン」が手掛けるアマン東京の「ザ・ラウンジ by アマン」です。 高さ約30メートルにおよぶ吹き抜けの高い天井と一面のガラス窓。ガーデンラウンジがイメージしたのは日本庭園。新宿のビル群や遠く丹沢の山々を借景に、ぜいたくな天空のリラックスタイムを満喫できます。日が落ちるころになると、刻々と変わりゆく空の色と東京のパノラマの景色がゲストの目を奪います。 カウンターやソファにはアペリティフを楽しむお客様の姿が。「宿泊客のご利用が8割を占め、大半が海外からのゲストです。私は2018年にこちらに来ましたが、当時に比べて、今は海外のお客様を強く意識するようになりましたね」と話すのはアマン東京ヘッドバーテンダーの因泥(いんでい)佐祐さんです。 年々増える海外のお客様に喜んでもらおうと、因泥さんが考えたのが「日本の素材をシンプルに楽しんでいただける」ジャパニーズマティーニ「柚子(ゆず)マティーニ」です。 スタンダードなマティーニはウオッカあるいはジンをベースにベルモットを合わせ、オリーブを添えた辛口のカクテルとして知られています。「日本人はそうしたドライを好みますが、外国人のゲストが求めるマティーニはちょっと違うんです。そこが面白いところ。海外のお客様は飲みやすく、香りがたっていて、何杯でも飲めるマティーニを好まれます。グラスも大きめがいいですね。こんなふうに、ニーズに合わせてバーテンダーがアレンジできるのもマティーニの魅力だと思っています」