ザルファ 世代らが支持。ノスタルジックな90年代路線に傾注するファッション&ビューティーブランド
ギャップはスケートボードブランドと協業
一方で、ほかのブランドもイメージや文化的な瞬間によってノスタルジーを利用しようとしている。 たとえば、ギャップ(Gap)は3月にロンドンを拠点とするスケートボードとアパレルのレーベルであるパレス(Palace)と提携し、パレスギャップ(Palace Gap)コレクションを発売した。このコレクションのキャンペーンは90年代のスケートボードのカルチャーを直接反映したものだ。90秒の動画スポット広告ではその時代の有名人であるスパイスガールズ(Spice Girls)のメラニー・チズム(通称メル・C)のほか、伝説的スケートボーダーであるエリッサ・スティーマー氏やカール・ワトソン氏、トミー・ゲレロ氏などが登場している。 ギャップとパレスのコラボレーション「パレスギャップ」のプロモーション動画 パレスギャップのコラボレーションは、90年代とノスタルジーにインスパイアされたギャップの一連のマーケティングの最新作だ。2023年8月に同社に入社し、新たにCEOとして任命されたリチャード・ディックソン氏のもと、同社はイメージを刷新するミッションを進めてきた。ギャップは3月初頭に、南アフリカのポップスターであるタイラを使ったキャンペーン「リネンムーブス(Linen Moves)」の最初のアセットをTikTokで公開し、バイラル化した。この動画は、ジャングル(Jungle)のシングルでバイラルヒットした「バックオン74(Back on 74)」が使用され、ノスタルジックでありながらタイムリーなもので、これは適切に行えばブランドが消費者を獲得するのに優れた戦略となる。この投稿は4月11日の時点で2500万回再生され、37万4200の「いいね」が付いている。 全体として、ギャップはTikTokでの人気を高めた生々しさと信憑性を反映した「低解像度の」画像と動画を重視しているようだ。バンク氏によると、消費者との本物の感情的なつながりが、最終的にクリックを売上へと変えるのだという。 3月7日に報告された2023年第4四半期の決算では、純売上が10億1000万ドル(約1560億円)と、前年より5%減少していた。同社はコメントの要請に応じていない。