落札予想は18億円超え!? 出品されること自体がレアな 特別なパガーニ「ゾンダ」がオークションに登場 どんなハイパーカー?
さまざまなバージョンが製作された、ゾンダのスペシャルモデル
2024年12月にドバイで開催されるRMサザビーズに、2014年型のパガーニ「ゾンダ760LMロードスター」が出品されます。 【画像】18億円超えの予想!? 希少なスーパーカーを写真で見る(33枚) ゾンダのロードカーは現在、わずか140台しか存在せず、スーパーカーとしては異例の少なさなのが特徴です。2024年で25周年を迎えるゾンダのヒストリーも合わせて紹介しましょう。
オラチオ・パガーニ氏と、彼の名を冠した会社のストーリーは今や世界中に知られていますが、その始まりは非常に質素なものでした。 並々ならぬ努力や個人的な資金投入、エンジニアリングの創意工夫、そして何よりも情熱によって、オラチオ・パガーニ氏は複合材料に関する専門知識を提供する「モデナ デザイン」を設立しました。 そのモデナ デザインから「パガーニ・アウトモビリS.p.A.」が設立され、ゾンダを生み出す夢の開発が始まりました。 ゾンダの開発における重要な出来事は、ファン・マヌエル・ファンジオ氏の協力によって達成されました。 ファンジオ氏は亡くなる直前まで、パガーニがメルセデス・ベンツの伝説的なM120型V12エンジンの供給を確保する手助けをしました。 ですが、この契約からゾンダが世に出るまでに5年の歳月を要しました。これは主に、大規模なエンジニアリングチームを後ろ盾にすることなく、オラチオ・パガーニ氏自身がクルマを開発したことによります。 ゾンダに対する彼の一途なビジョンの純粋さは、このモデルが今日、世界で最も尊敬されるクルマの1台となっている理由のひとつです。 1999年のジュネーブ国際モーターショーで発表されたゾンダ「C12」は、AMGがチューニングした6.0Lエンジンを搭載していました。 車両重量は1250kgで、0-100km/h加速は3.7秒、最高速度は300km/h近くに達しました。 そのハンドメイドという性質上、ゾンダの製造には常に膨大な時間がかかり、前後カウルのデザインをさらにアップグレードした7.0Lの「Sバージョン」が発表されるまで、生産初年度に完成したのはわずか5台でした。 2002年、ゾンダの最終的な排気量は7.3Lとなり、シュトゥットガルトで生産された史上最高のエンジンのひとつと広く評価されているM120型の究極バージョンが発表されました。 さらに、オープントップのロードスター バージョンが初めて用意され、このスーパースポーツカーにさらなる魅力が加わりました。 パガーニの名声が高まるにつれ、ユニークな仕様に対する顧客の要求も高まり、特別仕様車が登場するようになり、ル・マン24時間レース用には「ゾンダS」が製作されました。 フェラーリ「エンツォフェラーリ」、ポルシェ「カレラGT」、ブガッティ「ヴェイロン」といったスーパースポーツカーが発表されると、パガーニはゾンダを再びアップデートし、究極の市販バージョンである「ゾンダF」を発表しました。 「チンクエ」や「トリコローレ」といった特別仕様車も登場しました。 モータースポーツの原点に立ち返り、オラチオ・パガーニは2007年、ニュルブルクリンク ノルドシュライフェにおける公道走行不可モデルのレコード(フェラーリ 599XXが達成)を10秒以上更新することを目標に「ゾンダR」を開発しました。 トリコローレとRで、ゾンダはその頂点に達したかのように思われましたが、パガーニはさらに「760RS」を発表してクルマ業界を驚かせました。 ゾンダRのスリルを路上でも味わいたいという顧客の要望を受け、パガーニはRの739馬力を超えることをミッションとして、AMGのエンジニアがエンジンパワーを760馬力、レッドラインは7500rpmまで引き上げたのです。 このパワーをコントロールするために、7速パドルシフトのAMT(セミオートマ)が開発され、加速と最高速度はさらに向上しました。 パガーニによる760の改良は単にメカニカルなものだけでなく、シャシもカーボンチタニウム製に再設計されました。 この改良により、より剛性の高いプラットフォームが生み出されただけでなく、競合車と比較しても軽かった車両重量がさらに軽減されたのです。