子どもからカミングアウトされたら、親はどう声をかけるべき? 当事者の集まりや支援団体、相談窓口は
当事者の子どもや保護者の集まりや相談先、支援団体は
Q 子どものカミングアウトを受け止めることが難しい場合、親としてどうすべきですか。相談先などはありますか。 A 同僚からカミングアウトされる場合などに比べ、子どもからのカミングアウトは親にとってはより強い感情をもたらします。 子どもを受け入れたい、サポートしたい気持ちと、戸惑う気持ちの両方をいだいて葛藤することは親御さんの間でよく見られます。どちらの感情も、これまでお子さんと接してこられた経験の中では、湧き上がるのが当然の感情だったのでしょう。 親御さんが利用できる電話相談やカウンセリングサービス、親御さんどうしのサポートグループもあります。1人きりで、強烈な気持ちの揺れや将来への不安などに対処する必要はありません。また受け入れられない自分はダメな親だと罪悪感を抱く方もおられますが、そのような感情や経験も含めてお話しできる安全な場所をぜひ探してみてください。 親御さんの中には、子どもが健やかに楽しくこれからの人生を過ごせるのか、仕事が見つかるのか、子どもがこの先も生きていてくれるのかなど、不安を覚える人もいるでしょう。あるいは、子どもをとにかく守らなくてはいけないというプレッシャーを感じているかもしれません。 そのような不安やプレッシャーはすぐに解消されるものではなく「きちんと産んであげられなかった」などの自責の念にかられる方もおられますが、幸せに生きている大人のトランスジェンダーもたくさんいることは忘れないでいてください。 Q 子どもが希望する場合、LGBTQ+やそうかもしれない当事者の集まりはありますか。また、子どもがLGBTQ+の保護者の集まりや相談窓口などもありますか。 A お子さんの中には「自分と同じような友達と話してみたい」「他の当事者の話が聞いてみたい」と考えてLGBTQ+のグループに参加したいと考える人もいます。 子ども・若者が参加しやすいよう準備されたイベントや、親御さんも参加できるグループなど、日本各地でさまざまな企画がされています。お住まいのエリアの近くで参加できるところがあるかお子さんと一緒に探してみるのも良いでしょう。 例えば、私が運営している一般社団法人にじーずは、10代から23歳までのLGBTやそうかもしれない人が対象で、当事者の子ども・若者のみが参加できるグループです。 ゲームなどで話したり、絵を書いたり、お話をしたり、学校の休み時間のような雰囲気で子どもたちは過ごします。全国10都市近くで開催されており、子どもとの安全な関わりに関する研修を受けたスタッフがファシリテーションを行います。 また、13歳以上であればスマホやPC経由で、メタバース上での居場所「バーチャルにじーず」にも参加いただけます。 メタバースの居場所は匿名性を担保したまま、地域問わずどこからでもご参加いただけるので、利用のハードルが低いと感じる方もおられるようです。 他にも都内で「にじっこ」という、15歳以下のLGBTやそうかもしれないお子さんや家族のグループがあります。こちらは、ご家族同士での分かち合いができて、学校での配慮やどこで水着を買うかといった話など情報交換もできます。 家族のサポートグループはオンラインで開催しているところもあります。 LGBTについて相談できる電話相談窓口も昨今は充実しています。一覧を認定NPO法人「虹色ダイバーシティ」さんが作成しているのでご利用ください。 また、LINE相談も最近は充実しています。にじーずのサイトでも一覧をまとめています。当事者だけでなく、ご家族の方も使えるところが多いのでぜひご活用ください。 <取材・文=冨田すみれ子>