推定4300万人!2000年以降<高血圧患者>が急増したワケ。薬剤師「昔は『年齢に90を足した数字より低ければ正常』といわれたが今では…」
厚生労働省が2017年に実施した「患者調査」によると、高血圧症で継続的に治療を受けていると推測される患者数は約993万人だったそう。癌や糖尿病と並ぶ“国民病”のひとつといえる高血圧ですが、薬剤師の加藤雅俊さんいわく「この60年ほどの間に高血圧の基準数値が何度か見直され、その度に患者数が増えてきた」とのこと。そこで今回は、加藤さんの著書『1週間で勝手に血圧が下がっていく体になるすごい方法: 薬に頼らず劇的改善!世界一ラクな降圧法』より一部引用、再編集してお届けします。 【グラフ】高血圧患者数の推移 * * * * * * * ◆そもそも血圧って何? 血圧とは「血液の流れが血管(動脈)に及ぼす圧力」のことです。血流が血管壁(血管の内側の壁)を押す力、と言い換えてもいいでしょう。 心臓から送り出された血液は動脈を通じて全身の細胞へ酸素や栄養を届け、細胞からは老廃物などを回収しつつ、静脈を通って心臓に戻ってきます。重力に逆らって血液をまんべんなく循環させられるのは、血圧があるからこそといえるのです。 体じゅうに血液をめぐらせるため、心臓はポンプのように収縮と拡張を繰り返します。心臓が収縮して血液を送り出すときの血圧値が「収縮期血圧(最高血圧)」、みなさんが「上の血圧」と呼んでいるものです。 逆に心臓が拡張して血液をため込もうとするときの数値は「拡張期血圧(最低血圧)」、いわゆる「下の血圧」です。
◆血圧はめまぐるしく変化する 血圧はめまぐるしく変化します。 急ぎ足で歩いたり、不安や恐怖を感じたりすると心臓がドキドキしますね。これは心臓が脳や筋肉へ十分な酸素や栄養を供給しようとポンプ能力を上げるためで、それに伴って血圧も上昇します。 1日の中でも朝は高めで睡眠中は最も低くなるのが自然です。たとえ一時的に上がっても、元に戻れば何も問題はありません。 血圧値を表す「mmHg」という単位は、現代の電子式血圧計ではなく、水銀式が主流の時代に定められたもの。「Hg」は水銀の元素記号で、計測器の水銀の柱を押し上げる力で血圧を測定していました。
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